くまの100均フィッシング

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【釣りの遠投】道具?技術?|飛距離を決める8つのポイント

初めに

 

キャストが下手なんだけど・・・

少しでも飛距離を延ばすための道具の選び方は?

 

遠投できる距離は、複数の要素で変わってきます。他の人に1mでも差を付ける方法を解説していきます。

 

 

 釣りをしてなかなかヒットが来ないと、もっと遠くに魚がいるはずと、必死でフルキャストして距離を出そうとしている釣り人をよく見かけます。

 海は広いので、飛距離が5mや10m延びたからといって、魚が急に掛かるわけでもないのですが、少しでも遠投できれば、釣れそうな気分になるのは事実です。

 

 釣り場に行くと、似たような道具なのに、周りの釣り人の1.5倍くらい飛んでいる人をたまに見かけます。なぜこのような差が出るのでしょうか?

 このような差は、パッと見た感じではわかりづらい、飛距離を延ばすための意外なポイントが影響しています。

 遠投できる距離ですが、経験を積むにつれて、様々な要素で変わってくることがわかってきます。その要素を大きく分けると、「技術」「道具」「天候」があります。

 この記事では、これらの遠投性能を決める要素をさらに細かく分解して、距離を稼ぐために考えるべきことをわかりやすく解説していきます。

 なお、この記事では、文字数を減らすため、先端についている仕掛けやルアーは、すべて「仕掛け」と書いて説明しています。また、右利きを前提としています。

 

 

キャストの基本

 仕掛けのキャストでは、左手で握っている竿尻部分が支点、右手で握っている部分が力点になります。

 釣りを始めたばかりの人がキャストをすると、かなりの人がキャスト直後に右手を離しているのを見かけます。

 もちろん、右手を離して投げることもできなくはないですが、キャスト方向が不安定になるため、力を入れづらくなります。

 キャスト前にはリールフットを右手の中指と薬指の間に挟むように握って、右手と左手の前後を入れ替えるように投げましょう。

 

 

遠投性能<技術編>

キャストスピード

 

  • 距離に与える影響・・・★★★大きい

 

 仕掛けの飛距離を延ばすためにまず考えなければならないのが、仕掛けに与える運動エネルギーをできるだけ大きくすることです。

 運動エネルギーは、質量とスピードで決まります。スピードを上げるためには、力の入れ方を工夫する必要があります。

 テニスやゴルフなど、道具を使ったスポーツをやる人は、できるだけ道具に仕事をさせろ、というアドバイスを聞いたことがあると思います。

 これは、釣りの場合も当てはまります。飛距離を延ばすため、釣り人は以下のような意識を持つようにしましょう。

 

【間違い】力を仕掛けに伝える

【正しい】力を竿に伝える

 

 ボール投げのイメージで力を仕掛けに伝えようとすると、どうしても仕掛けを離す寸前に最大の力を入れようとしてしまいます。

 それだと、竿の性能を十分に活かすことができません。竿に仕掛けを投げてもらいましょう。釣り人が加える力は、竿を可能な限りしならせることに使います。

 竿をできるだけしならせるためには、振りかぶって竿の先端が最も地面に近いタイミングで最大の力を入れるのが効果的です。

 

 

 釣り人が力を使うのは竿をしならせるところまでです。そこから先は、竿が元の形に戻る反発力に任せます。

 竿が描くカーブが急であるほど、反発力が上がって仕掛けの飛距離が出ます。

 

【ワンポイント】ペンデュラムキャスト

 キャストスピードを上げるには、可能な限り竿をしならせる必要があります。

 しならせるカーブを急にするためには、加える力の大きさ、加える力のタイミング、この2つ以外に、仕掛けの重さも関係します

 仕掛けの重さを大きくするために、あらかじめ遠心力を加えて、本来の仕掛け以上の重さ負荷を疑似的に作る投げ方としてペンデュラムキャストがあります。

  通常のオーバヘッドキャストでは、構えの段階で仕掛けを後方にセットします。

 それに対して、ペンデュラムキャストでは仕掛けを前方にセットします。ゆっくりと後方に仕掛けを振り子のように移動させ、最も後ろに移動したタイミングで前方向に力を加えます。

 オーバヘッドキャストでは、釣り人が力を加えるタイミングの仕掛けの重さは、元々の仕掛けの重さだけです。

 それに対して、ペンデュラムキャストでは、元々の仕掛けの重さに加え、仕掛けを後方に移動したときに発生する遠心力による疑似的な重さが加わります。

 なお、ペンデュラムキャストは、うまくなればオーバヘッドキャストの10~20%飛距離を延ばすこともできると思いますが、人が多い堤防ではお勧めできません

 特に、キャストが下手なうちは、周りにケガをさせる心配があります。どうしても練習したければ、周囲10m以内に人がいない時にやりましょう。

 

ペンデュラムキャストは、ルアーフィッシングで使う技術だ。餌釣りは仕掛けが複雑でトラブルになりやすいので、普通のオーバヘッドキャストで十分だ。

 

 

キャスト方向

 

  • 距離に与える影響・・・★★★大きい

 

 釣り始めたての人は、右利きの場合、キャストしたときの仕掛けが想定よりも右方向に飛んでいきます。これは、竿が横振り状態となっていることが原因です。

 キャスト時の竿の軌道は、できる限り地面に対して垂直にしましょう。

 以前、筆者はキャスト時の軌道確認のため、後方から動画を撮ったことがあります。下の連続写真がそのスナップショットです。

 

 

 筆者が初めてこれを見たとき、自分が想像していた以上に竿の軌道は斜めになっていました。

 他の方のキャストも確認してみましたが、だいたい同じような軌道でした。

 地面に対して完全に垂直にする必要はなく、60~75度程度の角度でキャストするのが、最も自然な形で飛距離を出せると言えます。

 

キャスト角度

 

  • 距離に与える影響・・・★★☆普通

 

 一般的なボール投げで、少しでも飛距離を延ばしたいのであれば、地面に対して30度の角度でリリースするのが良いと言われます。

 これは、釣りのキャストでも概ね当てはまります。

 角度を決めるのは、道糸のリリースタイミングです。道糸を抑えている人差し指を、早めに離すと角度が高くなり、遅めに離すと角度が低くなります。

 

 

 筆者の感覚としては、真上よりもやや後ろのタイミングで指を離すと、30度程度の飛行角度になる気がします。上の絵でいうと、左側がお勧めタイミングです。

 なお、後述する「風」がある場合、追い風であれば角度を高め、向かい風であれば角度を低めに調整します。

 追い風で角度を高くとると、風に乗る時間が増えてより飛距離を出すことができます。また、向かい風で角度を低くとると、風から受ける影響を小さくすることができます。

 

 

遠投性能<道具編>

仕掛け

 

  • 距離に与える影響・・・★★★大きい

 

 仕掛けが飛距離に影響を与える要素は、重さと体積と形状です。重さは運動エネルギー、体積と形状は空気抵抗に影響します。

 同じ重さ同じ形状であれば、比重が高いものほど飛距離が延びます。

 最もわかりやすいのは、ルアーです。同じ重さのルアーでも、鉛製のものとタングステン製のものであれば、タングステン製のものが飛距離が出ます。

 ルアー、ウキ、カゴなど各種部品は、機能を損なわない範囲で、できる限り空気抵抗を受けないような形状で設計されています。

 遠投性能を少しでも上げるため、各種部品は細かいデザインの工夫をしています。遠投を売りにしている商品は、パッケージに「遠投」と記載されていることが多いです。

 

【ワンポイント】メタルジグのバランス

 市販されているメタルジグには、前方に重心がある(フロントバランス)、中央に重心がある(センターバランス)、後方に重心がある(リアバランス)があります。

 ルアーは5~20㎝の長さがあるため、キャスト直前の軌道半径が大きくなるリアバランスのメタルジグが原理的に最も飛距離が出ます。

 飛距離が出る分、リアバランスが最もキャスト時に重く感じます。

 なお、筆者の体感では、3タイプでそれほど飛距離に違いはないです。竿の全長と比べれば、ルアーの全長はわずかなため、あまりリアバランスで飛距離を出そうと考える必要はないのかもしれません。

 純粋に飛距離を延ばしたいだけであれば、バランスではなく重量で調整するのがお勧めです。

 

【ワンポイント】同じ号数の重りとかご

 かご釣りで使うかごですが、これに記載されている「号数」の意味を正確に理解しているでしょうか?

 かごの号数は、かごの総重量を表すものではなく、適合するウキの号数を表します。

 かご単体の重量は、同じ号数の重りと比較するとかなり重くなっています。例えば、8号のかごと8号の重りであれば、8号のかごの方が断然重いです。

 そのため、同じ号数であれば、かごの方が圧倒的に飛距離が出ます。

 

では、なぜ総重量が重いかごが同じ号数のウキで立つか、というと、かご自体に浮力があるためだ。水中だと浮力がプラスされるので、重りと同じ号数のウキが使える、という仕組みだ!

 

 

釣り竿

 

  • 距離に与える影響・・・★★★大きい

 

 釣り竿には、「長さ」「硬さ」「ガイドの数」など、飛距離に影響を与える要素が多くあります。

 

 長さは、キャストできるのであれば、できるだけ長い方がキャスト時の軌道半径を大きくできて、飛距離を延ばすことができます

 餌釣り用の磯竿で、一般的な釣具店に置いてあるものは最大5.3mが多いです。

 これ以上の長さのものも存在しますが、キャストしづらいのであまり考えなくて大丈夫です。男性であれば4~5m、女性であれば3~4mくらいがお勧めです。

 ルアー用のロッドは、最大で3.3m程度です。

 ルアーフィッシングは、一日に何度もキャストするので、あまり長すぎると早く疲れてしまいます。個人的には、3m以下の長さにした方がいいと思います。

 

 硬さは、竿のパッケージに記載の適正重量と、キャストしたい仕掛け全体の重量を合わせることで、最も飛距離を延ばすことができます。硬ければ無条件で飛距離が延びるわけではありません。

 例えば、適正重量が20号の投げ竿を使って、1号の重さの仕掛けを投げても、せいぜい20m程度しか飛ばすことができません。

 軽い仕掛けをできるだけ遠くにキャストしたければ、その軽さに適正のある柔らかい竿を使う必要があります。

 

 ガイドの数は、数が少ないほど道糸とガイドの接触が減って飛距離が延びます。ただ、これによる影響はわずかで、あまり考慮しなくても大丈夫です。

 

 竿の正しい選び方については、以下の記事でまとめています。

 

 

 

道糸

 

  • 距離に与える影響・・・★★☆普通

 

 道糸は、キャスト中に自身が空気抵抗を受けて、キャストした仕掛けを引っ張り返そうとします。つまり、道糸が細くて総表面積が小さいほど飛距離が延びます

 下の写真は、PE2号とPE0.6号を重ねたものです。

 

 

 実際にキャストしてみると、無風であればあまり違いを感じません。しかし、風のある時は、細いほど飛距離が伸びることを体感できます。

 

道糸の太さによる影響は、空中よりも水中の方が顕著だ。道糸が太いほど潮流の影響を受けやすい。特に仕掛けが軽い場合は、道糸を細くすることを心がけよう!

 

 道糸の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。

 

 

 

リール

 

  • 距離に与える影響・・・★☆☆小さい

 

 道糸がスプールから出てくるときに、道糸とスプールの間で発生する摩擦が飛距離に影響します。

 スピニングリールであれば、どのメーカーのどの機種を使ったとしても、それぞれで極端に飛距離に違いがあるわけではないです。

 しかし、初心者の方は気が付きにくい、意外なことが飛距離に影響します

 同じ道糸を巻いたリールで何回か釣りをやっていると、少しずつ道糸が短くなってきます。下の二つの図を見たら、どちらの方が道糸が出た時に発生する摩擦が大きいか想像できると思います。

 

 

 要は、道糸はリールに巻ききれなくなる寸前まで巻いてある方が、摩擦が減って飛距離が出るわけです。

 釣具店で道糸を巻いてもらうと、大抵の場合購入した道糸以外に「下糸」という底上げ用の糸を無料で入れてくれます。

 下糸を入れることで、キャスト時にかかるリールと道糸間の摩擦を減らし、飛距離と道糸の寿命を延ばしてくれているわけです。

 

 

遠投性能<天候編>

風速と風向

 

  • 距離に与える影響・・・★★★大きい

 

 風速と風向は、餌釣りのような、仕掛け全体の比重が低いとき、特に飛距離に大きく影響します。

 例えば、追い風5mのときと、向かい風5mのときでは、飛距離にして倍近く変わる感覚です。

 追い風のときには、無風のときに比べてキャスト角度を高めにとったほうが飛距離が延びやすくなります。逆に、向かい風では、角度を低めにとって、風の影響を受けにくくする必要があります。

 

天候については、風以外に「天気」も飛距離に大きく影響するのは言うまでもない。ただ、雨天で釣りをすることは少ない上に危険なので、今回紹介する要素からは除外したぞ!

 

 

最後に飛距離を決めるのは道具

 今回は、技術・道具・天候、に分けて飛距離を延ばすポイントを紹介しました。

 技術は、半年程度の釣り経験を積めば、誰でもほとんど同じレベルになります。また、天候は、自然現象なので、同じ日であればみんな条件は同じです。

 つまり、釣り人どうしで飛距離に差が付く理由は、ほとんどが道具の違いによります

 同じ釣り方で、隣の釣り人が自分より飛距離が出ているようなら、それはその人が使っている道具に何か秘訣があると言えます。