初めに
ルアーロッドを購入予定なんだけど、ロッド選びのポイントを確認したい!
基本的なポイントから、一般的にはあまり知られていないマニアックな基準まで、まとめて紹介します。
ある程度の釣り経験がある筆者でも、釣具店の店員さんに相談すると、初めて聞くようなロッドの特性を教えてもらうことがあります。
ルアーロッドの厄介なのは、釣具店で数分触ったり振ったりして良さそうに感じたのに、実釣で使ってみると違和感を感じるようなことがあるところです。
この記事では、ルアーロッドの特性について、見た目だけで判断できる簡単なことから、経験者しか知らないようなマニアックなものまでまとめて紹介していきます。
ルアーロッドの比較ポイント
ロッド全体の硬さ
- マニアック度・・・★
- 重要度・・・★★★★★
基本中の基本となる特性の一つで、今回紹介する10個のポイントの中で最重要と言えます。
大まかな硬さを判断するため、ロッドのパッケージに、UL/L/ML/M/MH/H/XH、などの表記がされています。
しかし、この表記は各ロッドのシリーズ中の相対的な硬さを表すものなので、正確な硬さを見る場合は、「適正ルアーウェイト」を確認しましょう。
20g程度のルアーを使う予定なら、適正ルアーウェイトが10~30gなどの記述があるロッドを選びます。
柔らかいロッドは遠投に優れ、硬いロッドはパワーに優れています。
ロッドの全長
- マニアック度・・・★
- 重要度・・・★★★★
竿尻からロッド先端までの長さです。長いほど遠投しやすくなり、短いほど細かい操作がやりやすくなります。
短いものだと6ft(約1.8m)、長いものだと10ft(3.0m)のものがあります。
悩むポイントの一つではありますが、微妙な違いがあっても、それほど使いやすさには影響なかったりします。
堤防からの釣りであれば、8~9ftを選んでおけば、ロックフィッシングなどの極端な釣りを除いて、概ねどのような釣法にも対応できます。
ロッドの太さ
- マニアック度・・・★★
- 重要度・・・★★★
ロッドのパワーと握りやすさに関係します。
太いほどパワーがあるため、大型魚種をターゲットにしているロッドほど太めに作られています。
細いものは、腕全体ではなく、手のひらで細かいロッド操作をする釣りをイメージしています。
ロッドの太さは、後述するロッドの重さにも影響します。
ロッドの重さ
- マニアック度・・・★★
- 重要度・・・★★★★
ロッドのパワー、遠投性能、及び釣行時の疲れやすさに関係します。
同じ材質であれば、重い方がパワーがあります。材質については、後述します。
その他、重いほどキャスト時にロッドにパワーを伝えやすくなるため、遠投性能が上がります。
長時間の釣行であれば、軽い方が疲れにくいです。
ロッドの材質
- マニアック度・・・★★
- 重要度・・・★★★
ロッドは、カーボン材質、グラス材質、混合、のいずれかで構成されています。
カーボン材質の方が、軽くてパワーがありますが、若干値段が高い傾向があります。
ガイドの数
- マニアック度・・・★★★
- 重要度・・・★
ガイドの数が多いほど、魚からラインを引っ張られたときにロッドで力を吸収しやすくなります。
ガイドの数が少ないほど、ラインとガイドの干渉が少なくなって遠投性能が良くなります。
これによるロッドの性質の違いは微々たるものなので、あまり気にする必要はないです。
ガイドの大きさ
- マニアック度・・・★★★
- 重要度・・・★
ガイドが大きいほど、ラインと干渉しにくくなって遠投性能が良くなります。
ガイドが小さいほど、ラインの方向性が良くなるため、ライントラブルが起こりにくくなります。
餌木をしゃくる操作をイメージしているエギングロッドは、ガイドが小さく設計されています。
これは、しゃくったときに、ラインのテンションが張ったり緩んだりを繰り返すことで、ライントラブルが発生しやすいのを軽減する目的があります。
ロッドの調子
- マニアック度・・・★★★★
- 重要度・・・★★
ロッドの調子は、「テーパー」と表現されることもあります。
魚がヒットしてラインが引っ張られたときに、ロッドのどこの部分が曲がりやすくできているかを表します。
先端が曲がりやすいタイプを「先調子」、ロッド全体が曲がりやすいタイプを「胴調子」といいます。
先調子は、細かい操作がしやすく、小さい当たりの感度がよいと言われています。
胴調子は、竿全体で魚のパワーを吸収しやすいため、ヒットした後のファイトが有利になります。
テーパーは、パッケージに明記されていることが少ないので、購入時に店員さんに確認して、試しにロッドを曲げさせてもらいましょう。
ロッドの内部構造
- マニアック度・・・★★★★★
- 重要度・・・★
ロッド先端の内部は、空洞タイプと中身が詰まったタイプがあります。
ルアーフィッシングの世界では、空洞タイプを「チューブラー」、詰まったタイプを「ソリッド」と呼んでいます。
一般的に、チューブラーの方がキビキビとした動き、ソリッドの方が柔らかい動きをすると言われています。
そのため、エギングのように、餌木を勢いよく跳ね上げさせたい釣りでは、チューブラーが採用されていることが多いです。
釣りの上級者の中には、このポイントを重視する方もいるようですが、筆者レベルの釣り愛好家であれば、あまり気にすることはないです。
竿尻からリールまでの長さ
- マニアック度・・・★★★★★+
- 重要度・・・★★★★
これは非常に重要な比較ポイントにもかかわらず、ほとんどインターネット上の記事で見かけません。
竿尻からリールまでの長さは、手と脇の下の2点で支えたいか、手のひら1点で操作したいかによって決まってきます。
青物狙いの場合、魚のパワーが大きいので、2点で支えるのが普通です。つまり、ショアジギングロッドは、この長さが長いものが多いです。
中型以下の魚やイカ狙いの場合、手のひら1点で支え、手で細かいルアーアクションをさせます。そのため、竿尻が邪魔にならないように短くなっています。
エギングロッドやシーバスロッドは、手のひらで細かい操作をする釣りをイメージしているため、この長さが短くなっています。
【ワンポイント】エギングロッドって本当に万能?
初めてルアーロッドの購入を検討している人は、インターネットで情報を仕入れることも多いと思います。
できるだけいろいろな魚種を狙うため、万能ロッドというキーワードで探すと、「エギングロッド」が良くヒットします。
しかし、青物をショアジギングで狙いたいのであれば、万能という言葉に惹かれて、エギングロッドを買うのは絶対にやめましょう!!(断言+筆者経験あり)
やめた方が良い理由は、エギングロッドではショアジギングの基本であるワンピッチジャークが非常にやりにくいためです。
ワンピッチジャークは、脇の下を支点に、腕全体でロッドを上下させます。脇の下に挟みにくいエギングロッドは向いていません。
ショアジギングをやりたいなら、素直にショアジギングロッドと表記された商品を選びましょう。
もちろん、青物狙いのショアジギング以外で万能を求めるのであれば、エギングロッドは選択肢になります。
ルアーロッド購入時のポイント
初心者の方や初めてルアーロッドを購入する方は、今回紹介した10個のポイントを一つずつ考えながら選ぶのはお勧めしません。
釣具店に行けば、「青物狙い(ショアジギングロッド)」「イカ狙い(エギングロッド)」などの表記があるので、自分が釣りたい魚に合わせたロッドを選ぶのが確実です。
狙う魚さえ決めれば、あと自分で決めなければならないのは、製造メーカーと長さと硬さくらいです。
それ以外のマニアックな特徴は、ロッドメーカーがある程度最適化しているので、あまり気にせずに、握ったり振ったりした感触で選べば大丈夫です。
経験者が購入する場合、自分のやりたい釣りのイメージに合わせて、今回紹介した10個の比較ポイントをチェックしていきましょう。
実際に選んでみると、この10個のポイントすべてが自分の欲しいものと合致することは少ないです。どうしても譲れないポイントを決めて購入しましょう。
経験者であれば、ロッド選びをするとき、今回紹介した10個のポイントは必ず確認してから購入しよう!勢いで買うのは厳禁だ!筆者は、家に持って帰った後で、「あれ?」という経験を何度かしているぞ。
釣り竿選びの基本は、下の記事を参考にしてください。