くまの100均フィッシング

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100均を使ってお金を掛けずに大きな釣果

【グレのフカセ釣り】仕掛けと餌は?撒き餌の同調って何?タナはどうするの?

初めに

 

フカセ釣りって、特殊な竿とウキを買って、高価な撒き餌を何種類も混ぜるんだよね?

 

それは超上級者だけです。いつもの釣り場の普通の道具で楽しむ方法を紹介します。

 

 

 グレは、一般名は「メジナ」という魚で、関西ではグレ、九州ではクロと呼ばれる、日本近海どこにでもいるメジャーな魚です。

 別の記事では、グレをかごで狙う方法を紹介しました。

 今回は、かご釣りよりもやや難しい「フカセ釣り」でグレを狙う方法を紹介します。

 フカセ釣りは、かご釣りに比べると繊細な釣法です。

 その分、警戒心の強い魚や食い渋っている魚に有効で、グレだけでなく、サビキに反応しない大型のアジや、根魚のメバルなども釣ることができます。

 撒き餌と付け餌のコントロールや、浮力の調整など、工夫のしどころがたくさんあります。ただ、基本を押さえれば、それほど釣果に違いが出るわけでもありません。

 できるだけ普通の道具で、フカセ釣りを楽しむ方法を解説していきます。

 

 

グレの釣れる時期と場所

 かご釣りの記事でも書きましたが、あらためてカレンダーを紹介します。

 筆者の経験から、大阪湾から明石海峡周辺の堤防から釣れる時期をカレンダーにまとめるとこんなイメージです。

 

 

 

 グレという魚は、明石海峡周辺の釣り場であれば、冬以外は一年中堤防近くにいます。

 しかし、釣れる時期というのは、春と晩秋に偏っています。なぜでしょうか?

 これは、グレ以外の魚の活性が影響するためです。グレという魚は警戒心が強く、餌を狙う他の魚がいると、どうしても一歩遅れる特性があります。

 9,10月の釣りシーズンに釣りにくいのは、小アジやスズメダイなど「餌取り」と呼ばれる警戒心の低い魚が、撒き餌と付け餌を食いつくしてしまうためです。

 最もこの釣法でグレが釣れやすいのが、餌取りが少なくなる11月です。

 

フカセ釣りのウマい人は、堤防際に撒き餌を打って餌取りを引き付けて、本命のグレを少し離れた位置で釣る、らしい・・・。しかし、餌取りの活性が高いと、どこに撒き餌を打っても餌取りが秒で集まってくるぞ。

 

 

 狙える釣り場ですが、明石海峡周辺の堤防であればどこでも釣れます。

 強いて言えばですが、撒き餌がとどまりやすいと魚を集めやすいので、あまり潮流が激しくない場所がやりやすいです。

 撒き餌を使った釣法は、できるだけ撒き餌が分散しないことが肝心です。小潮や若潮など、潮の動きが緩やかな日の方が釣果が出やすくなります。

 

 

フカセ釣りの準備

タックルと仕掛け

 グレ狙いのお勧めのタックルと仕掛け部分の構成を図にしました。最もお勧めの道具ではなく、使えるものを幅広くまとめてみました。

 

 

【釣り竿】

 フカセ釣りは仕掛け全体が軽いため、柔らかい竿の代表格である磯竿が最もお勧めになります。

 磯竿の中でも、4,5号などの遠投タイプではなく、1,2号の重り負荷1号程度のものが最適です。

 もし磯竿を持っていないなら、投げ竿でも上手にキャストすれば使えます。ただ、重り負荷が30号前後の硬すぎる投げ竿はやりにくいかもしれません。

 もし、サビキ釣りで使っている初心者用の3m程度の竿があれば、それでも十分使えます。

 

フカセ釣りにおける柔らかい竿のメリットは2つある。一つ目はキャストのしやすさ、二つ目はヒット時のバラしにくさだ!

 

 

 

【リール】

 スピニングリールであればほとんどのものが使えます。お勧めは3000番程度ですが、筆者は4000,5000番でも普通に使っています。

 

 

【道糸】

 ウキを付けるのでナイロンを使います。ナイロンであれば、よっぽど太いものでなければ何でも大丈夫です。

 

 

【ウキ】

 ウキについては、超上級者のお勧めと筆者のお勧めは違うと思います。

 筆者のお勧めは、断然重り負荷1号以下の棒タイプ自立ウキです。筆者がよく使う、激安商品を紹介しておきます。

 

 

 

 自立ウキは、仕掛けの重さに関係なく立つことができ、棒タイプはヒットに気が付きやすいです。

 重り負荷が2号以上の自立ウキだと、繊細な当たりに気が付けないことがあるので、1号以下がお勧めです。

 

 ちなみに、釣具店でフカセにこだわる店員さんであれば、下の写真のような卵型のほとんど重り負荷がないウキを勧められることが多いです。

 このタイプのウキは、非常に繊細な当たりがとりやすい反面、波があると見づらく、初心者にはお勧めできません

 

 

【ハリス】

 堤防でやるなら、ナイロンでもフロロカーボンでも大丈夫です。ただ、太さに関しては1.5号、どんなに太くても2号までとしましょう。

 筆者の場合、1.5号のハリスは、グレのフカセ釣り以外で使うことはないです。

 

 

 

 竿やリールはあまりこだわる必要がありませんが、ハリスと針だけは大きく釣果に影響します。

 初めてのフカセ釣りであれば、ハリスと針だけは最適なものを買い、それ以外はあるものを流用するのがお勧めです。

 

 

【針】

 ヒット率を上げたければ、できる限り針のサイズを小さくするのがお勧めです。

 特に、グレは口が小さい魚で、吸い込むように捕食するため、餌の小ささは釣果に大きく影響します。

 グレ専用針が最もいいですが、伊勢尼やチヌ針の極小サイズでも問題ありません。

 筆者は、バラ針として持っているのは、チヌ針か伊勢尼です。伊勢尼であれば、以下の5号、またはそれ以下のサイズを使うようにしましょう。

 

 

 

【その他】

 その他、フカセ釣りで使う特殊な道具として、撒き餌をキャストするためのシャクが必要です。釣具屋でも100均でも売っています。

 

 撒き餌を貯めるための道具として、バッカンを使う人もいます。筆者は、バッカンの代わりに、下の写真のように活かしバケツで代用しています。

 

 撒き餌は、少なくとも集魚剤とオキアミと海水を、できる限り均等に混ぜる必要があります。

 手で混ぜるのも悪くないですが、時間がかかる上に、かなりの力を必要とします。

 釣具店に行くと、専用の混ぜるための道具も売っていますが、100均で売っているポテトマッシャーが超おすすめの代用品です。

 ポテトマッシャーを使えば、撒き餌全体をかき混ぜるだけでなく、オキアミを粉々にすり潰すのも簡単にこなせます。



 

混ぜ方が雑だと、撒き餌の粘度が足りなくて、キャストしたときに空中でバラけやすくなる。手抜きせずにしっかり混ぜるようにしよう!

 

 

撒き餌と付け餌

 フカセ釣りで一番面倒くさいのが餌の準備です。最低でも、以下の3種類を買ってくる必要があります。

  • 付け餌用オキアミ
  • 撒き餌用オキアミ
  • 集魚剤

 

 付け餌のオキアミには、撒き餌のオキアミを流用することもできます。

 ただ、撒き餌用に売っているオキアミは、身が柔らかすぎることが多いので、できれば付け餌専用のオキアミを準備するのがお勧めです。

 

 付け餌用のオキアミは、下の写真のようなハード加工されているものが多いです。サイズは小さい物でも、大きい物をちぎって使っても問題ないです。

 

 付け餌を針に付ける時は、以下の写真のように千切れやすい頭部分や針から飛び出しやすい尻尾部分を切るのが筆者流です。

 グレが口の中に針を吸い込んだ時に引っかかりやすいように、針先は出すようにしています。

 

他の釣り上級者に聞くと、この餌の付け方にはそれぞれこだわりがあって、ヒット率と針掛かりが最もいい方法は必ずしも正解はない気がするな・・・

 

 

 撒き餌用のオキアミは何でも大丈夫です。できるだけ安いものを買ってきましょう。

 

 集魚材も何でも大丈夫です。下の写真のようなグレ専用のもの、その他チヌ用やアジ用であっても、よっぽどこだわらなければ集魚力に差は感じません。

 

 これらの必須の餌以外に、撒き餌の粘度を高めることで、遠投力を上げて拡散性を弱めるための米ぬかを混ぜることもあります。

 

 米ぬかは、比較的安く手に入れられる上、撒き餌の量を増やすこともできるので、長時間やるのであれば持っていくのがお勧めです。

 

 

フカセ釣りのやり方

タナの調整

 キャストをする前に、まずはタナを確認します。

 グレ釣りというのは、撒き餌を使って海底の住処から誘い出して、浅い水深までおびき寄せて釣る、というのが基本的な考え方です。

 撒き餌が効きだしたら、水深1,2mまで浮いてきますので、そのような食い気のあるグレを狙っていきます。

 つまり、グレ釣りでは、タナを深くする必要はなく、釣り始めであれば2,3mに設定するのがお勧めです。

 

 

【ワンポイント(タナを浅くしろ)】

 フカセ釣りは、初心者と上級者で釣果に差が出やすい釣りです。道具と餌以外で工夫すべきこととして、以下の3項目があります。

 

  1. 餌取り対策
  2. 撒き餌と付け餌の同調
  3. タナの調整

 

 1番については、様々な釣り専門記事を見かけますが、ずばりこうすれば良い、という正解は無いです。

 2番については、確かに重要だとは思いますが、1,2m撒き餌と付け餌の位置が違ったところで、魚は気が付いてくれるので、よっぽどシビアなレベルにならない限り、最初は気にしなくても大丈夫です。

 餌取りが多いときは、むしろ多少同調していない方がいい、という人もいるくらいです。

 

 最後の3番ですが、これはフカセ釣り特有の意外なノウハウがあります。

 ウキの6号や8号など、浮力の高いウキを使って釣りをする場合、仕掛けが目標のタナに到達するのは、着水からせいぜい4,5秒です。

 それに対して、フカセ釣りの場合、仕掛けが目標のタナに到達するまでに10~20秒、またはそれ以上かかるのも普通です。

 さて、この10~20秒の間、魚は付け餌がタナに到着するまで、何もせずに見てくれているでしょうか?

 特に、撒き餌が効いてくると、着水から目標のタナに付け餌が到着するまでグレが反応していることがあります。

 このような仕掛けの沈下中は、ヒットに気が付くことも、合わせを入れることも困難です。

 

 

 ウキ釣り師は、釣れなくなると、タナを深くする習性があります。

 しかし、フカセ釣りで、撒き餌が効いて、グレの活性が上がっているにもかかわらず釣れなくなったときは、むしろタナを浅くするのが正解です。

 タナを浅くすることで、タナまでの到着時間が短くなって、グレに餌だけ取られてしまう可能性を減らすことができます。

 

仕掛けの回収の都度付け餌がなくなっていたら、本命のグレが付け餌沈下中にヒットして餌だけ取られている可能性を考えよう!餌取りとは限らないぞ!

 

【全遊動仕掛け】

 超上級者向けだが、フカセ釣りには「遊動」という考え方もあります。遊動というのは、付け餌を自由落下させることです。

 ウキ止めを付けずに、自由落下させた付け餌を食わせる仕掛けを「全遊動仕掛け」といいます。

 極わずかな道糸の引っ張りに反応したウキの動きで当たりを検知します。

 この釣法の場合、繊細な当たりを検知できるフカセ釣り専用の極小浮力のウキを使う必要があります。

 

 

仕掛けのキャスト

 フカセ釣りというのは、撒き餌で集めた魚に付け餌を食べてもらう釣法なので、どうやって撒き餌と付け餌を同調させるのかが重要です。

 このような釣法の仕組み上、フカセ釣りでは以下の手順を踏むのが基本になります。

 

  1. 撒き餌を撒く。
  2. 仕掛けをキャストする。

 

 フカセ釣りをやっている人の中には、先に仕掛けをキャストしてから撒き餌しているのを見かけます。

 もちろん、このような逆手順でも釣れないことはないですが、フカセ釣りの仕組みを考えると、先に撒き餌をするのが正解といえます。

 

 仕掛けをキャストしたとき、撒き餌の拡散している位置に正確に仕掛けを落とすのはなかなかのコントロールが必要です。

 そこで、少し遠めに仕掛けをキャストして、竿で拡散位置に引き寄せるのが簡単です。

 

 

 もし、潮流が緩いときや、餌取りが少ないときであれば、5分程度仕掛けを流しっぱなしにしても構いません。その場合は、追加で撒き餌を撒くのも効果的です。

 逆に、潮流が速いときや、餌がすぐになくなるときは、2,3分で回収して付け餌の状態を確認します。

 

 

ウキに反応があったら・・・

 グレのフカセ釣りで、技術面で難しいことと言えば、ウキに反応があったときの「合わせ」を入れるタイミングです。

 大型のグレほど警戒心が強く、口の中で違和感を感じたらすぐに吐き出してしまうと言われています。

 他の魚の場合、一度ウキが沈んですぐに浮いてきた場合、付け餌は外れていることがほとんどです。

 それに対して、グレ釣りの場合は、付け餌が付いて戻ってくることがよくあります。これは、一度口に入れた餌をグレが吐き出したことを意味しています。

 

 なぜ、グレはフカセ釣りで狙うことが多いかというと、この付け餌の違和感を最も感じさせない釣法だからです。

 

グレ釣りの超上級者が好んで0号や00号など浮力の弱いウキを使うのは、少しでも口の中に入ったときに違和感を感じさせないようにするためだ!

 

 

 磯で大型のグレを狙うのであれば、ウキが繊細な沈み方をしたときに、吐き出される前に合わせる技術も必要です。

 それに対して、堤防で一般の方が狙うのであれば、棒ウキの先端が完全に水中に沈んでからゆっくり合わせるようにしましょう。

 早く合わせると、飲み込みが浅くて、針先が引っかからずに抜けてしまうことが多いです。

 

 

お勧めの取り込み

 堤防でグレを狙う場合、30㎝オーバーであればかなりの大物、35㎝オーバーは滅多に見かけません。

 そのため、取り込みはタモ網を使わずにブリ上げてしまいましょう

 堤防際まで引き寄せたら最後の抵抗をします。何度も暴れさせると針が外れてしまうので、1回目の抵抗が終わったら即回収するのが安全です。

 

フカセ釣りの上級者は、堤防際で弱らせてからタモ入れをしているのをよく見かける。でも、タモ入れをするためには弱らせる時間が必要なので、多少大型でもブリ上げの方が初心者には簡単だぞ!

 

 

実釣記録

準備

 11月下旬にグレのフカセ釣りをやってきましたので、実釣記録を紹介します。

 まず、仕掛けは以下の通りです。

 当日は別の釣りをやるつもりでしたが、グレの方が釣れそうだったので、急遽持ってきた道具を組み合わせてフカセ釣りを開始しました。

 

 この日は、道糸がPEのリールしか持っていなかったため、ナイロン4号の道糸を10m程度PEの先に付けて、ウキ釣りができるようにしました。

 ハリスの途中には3Bのガン玉を付けています。

 最初はシンカー無しでやっていましたが、付け餌が潮流に負けて沈下しづらかったため、後から付けました。

 

ガン玉はちょっとした浮力調整をしたいときに、ハリスの途中の任意の場所に付けられる便利な重りだ。筆者は3Bのガン玉だけは持つようにしているぞ!

 

 

 ガン玉はパックマンのような形をした重りです。装着と取り外しをするときはプライヤーがあると便利です。

 

 もしガン玉がなくて沈下がしづらいと感じた場合は、道糸とハリスの間をサルカンでつなげると、仕掛け全体をわずかに重くすることができます。

 

 今回、撒き餌は、100均で買ったプラスチックケースに入れて作りました。

 このような適当なケースでもいいし、水汲みバケツを代用してもいいです。もちろん、こだわるなら専用のバッカンを買いましょう。

 

 

一投目からヒット

 急遽始めたフカセ釣りでしたが、なんと一投目で堤防では比較的いいサイズがヒットしました。

 

 

木っ端グレ7連発

 この後は、20㎝前後のものが7連発しました。

 すべて逃がしてあげたかったのですが、そのうち1匹は完全に針を飲み込んで血が出てしまったので、持ち帰りました。

 

 

感想

 今回の釣行は、グレ8、という結果でした。このうち、最初に釣れた27㎝と、針を飲んでしまった1匹を持ち帰りました。

 

 グレの身は、白身の淡白な味です。

 見た目があまり食欲をそそらないので、筆者の場合、下処理の段階でお酢に漬けて、皮を柔らかくしてから剥いでしまいます。


 調理をする際は、油を使うか、できるだけ味付けをしっかりするのがお勧めです。

 

 

 グレをより簡単にかごで狙う方法は、以下の記事でまとめています。