初めに
二本の糸を簡単につなげられて、強度の高い方法を教えて!
釣り始めたてで、意外と最初に悩むことが多いのは二本の糸を直結する方法です。簡単で強度もそこそこ高い結び方を紹介します。
糸と糸を直結する方法は、知識がないと意外と悩むと思います。
釣り糸と言うのは、靴ヒモなどと比べて摩擦が少ないため、単純な片結びなどではあっという間にほどけてしまいます。
キャスト時や魚に引っ張られたときにほどけないような強度を出すには、特殊な結び方を覚える必要があります。
様々な結びがありますが、この記事ではすばやく簡単にできて、それなりの強度を出すことのできる、トリプルサージェンスノットを紹介します。
トリプルサージェンスノットの使いどころ
使いづらいケース
トリプルサージェンスノットは、簡単で強度が高い結びですが、二つほど欠点があります。
一つ目の欠点は、結びつける方の糸がシンプルで短めである必要があることです。
後述する結び方で詳しく書きますが、トリプルサージェンスノットは、結びつける方の糸全体を輪っかにくぐらせる必要があります。
そのため、結びつける方の糸に枝糸や針が付いていたり、10m以上などの長い糸を直結するのはやりづらいです。
二つ目の欠点は、結び目が比較的大きくなることです。
リールの中や竿のガイドの途中に大きい結び目があると、キャストのときに引っかかる原因になります。
特に、遠投を必要とするルアーフィッシングでは、結び目を小さくして引っかかりを減らすことは飛距離を延ばすために重要です。
お勧めの使いどころ
前述の欠点を回避できる場面で使うのがお勧めです。
具体的な使いどころは、一本針の餌釣りや、ルアーフィッシングで短めのリーダーとする場合などです。
餌釣りの場合、結び目を竿のガイドの中に入れたとしても、激しいキャストをすることはないと思いますので、長めのハリスでも大丈夫です。
ルアーフィッシングにおいては、結び目がロッドのガイドに入らないくらいリーダーが短めのときに使っていきましょう。リーダーが1.5m以下の長さなら、ガイドに入らずに使えると思います。
結びつける糸は、ナイロンとフロロ、PEとナイロン、など、どのような種類の糸どうしでも結ぶことができるぞ!
トリプルサージェンスノットの結び方
結び付ける糸を欲しい長さで切る
糸どうしを結ぶ方法は多数ありますが、ほとんどのやり方は結びつける糸の先端部だけで結ぶことができます。そのため、結び終わってから長さ調整が可能です。
それに対して、トリプルサージェンスノットの場合、結びつける糸全体を輪っかに通す必要があるため、先に必要な長さを切り取っておく必要があります。
二本の糸を20㎝ほど重ね合わせる
二本の糸を20㎝ほど重ね合わせて、両端を指でつまんでおきます。
重なっている部分をまとめて輪っかを作る
重なっている部分で輪っかを作ります。
輪っかの中に結びつける糸全体を通す
作った輪っかの中に、結びつける側の糸全体を3回ほどくぐらせます。くぐらせたら、少しずつ輪っかが小さくなるように引っ張ります。
結び目を4方向から引っ張る
結び目を軽く唾などで濡らしてから、4方向に出ている糸を力いっぱい引っ張ります。
下の写真は、PE0.8号に、フロロカーボン3号をトリプルサージェンスノットで結束して引っ張り終えた状態です。
完成
最後に、左右3㎜ほど残して、余分な糸をハサミなどで切断します。しっかり結べると、このような小さな結び目となります。
簡単な手順の割に強度が高いです。結び目の大きさがあまり問題にならない餌釣りでは、特にお勧めです。
FGノットとの比較
糸どうしを直結する結びで、ルアーフィッシングなどで最もよく使われる方法がFGノットです。FGノットとトリプルサージェンスノットの違いを見ていきます。
上がトリプルサージェンスノットの結び目、下がFGノットの結び目です。
FGノットの特徴の一つは、できるだけ双方の糸の摩擦力を生かすため、何度も編み込んで糸どうしの接触面積を増やしていることです。
そのため、原理的にはFGノットの方が結束強度は高いと言えます。
しかし、実際に引っ張ってみると、見た目以上にトリプルサージェンスノットの強度は高いです。
ブリなどの大型青物を狙う時はFGノットの方が安心感がありますが、メインのPEラインの太さが1号程度で、中型以下の魚をターゲットにするときはトリプルサージェンスノットでも全く問題ないです。
結ぶ手間を考えなければ、FGノットの方が強度が高くてお勧めだ。ただ、FGノットは結びの難易度が高く、焦っているときや手元が暗いときは失敗する可能性も高い。そういう場合こそ、トリプルサージェンスノットの使いどころだ!