初めに
結びには自信があるけど、枝針の仕掛けだけは市販品買っちゃうな~
そのような方に向けて、あっという間にできる枝針の作り方を紹介します。
中級者以上の釣り人で、ある程度結びに自信がついてきた人でも、枝針をサクッと作れる人はなかなかいないものです。
インターネット上の記事や動画を探すと、金属と糸、糸と糸、これらの結びについてはあふれ返っています。
しかし、胴付き仕掛け、その中でも特に枝針の作り方については、探してみても適切な解説をあまり見かけない気がします。
この記事では、底物を狙う上で必要不可欠な胴付き仕掛け、その中でも枝針の作り方を中心に、自作する方法を紹介します。
胴付き仕掛けの構成
胴付き仕掛けの構成は、下の図のようになっています。
ウキ釣りやかご釣りに比べると非常にシンプルな構成です。今回紹介する自作箇所は、赤で記載されている仕掛けの中心部です。
枝針作りの考え方
FGノットのような糸と糸を直結する結びと、枝針作りの結びは、それぞれ注意点が若干異なります。
直結する場合には、結束部をできるだけ細くする必要があるのに対して、枝針作りでは、幹糸の上で枝糸が滑らない方法を考える必要があります。
枝針作りでは、結束部が竿のガイドを通ることはありません。多少結束部が太くなってでも、できる限り結束強度の高い結び方を考えればいいわけです。
では、具体的な作成手順はどうしたらいいでしょうか?
枝針、というと、幹糸に枝糸をくっつける、と考えてしまいがちです。発想を変えて、枝糸は幹糸の一部と考えましょう。
胴付き仕掛けの作り方
仕掛け作りの工程
ハリス1本から、胴付き仕掛けを完成させるまでの作業手順を下の図にまとめました。
- ハリスを1mほど出す。
- 一つ目の枝針の元を作る。
- ハリスをさらに1.5mほど出す。
- 二つ目の枝針の元を作る。
- 両端にサルカンを付ける。
- 枝針を完成させる。
今回の胴付き仕掛けは、枝針を2本作る手順としています。もっと枝針の本数を増やす場合は、3,4の手順を繰り返します。
準備する道具
- ハリス(1本)
- 針(2個)
- サルカン(1個)
- スナップ付きサルカン(1個)
特殊な道具は必要ありません。
サルカンとスナップ付きサルカンについては、道糸や重りとの接続に使います。接続先に応じてスナップを付けるかどうかは変更してもらって構いません。
ハリスを重ね合わせて枝針の元を作る
ハリスを1mほど出して、その中央部分で下の図のように輪っかを作ります。
つまんだ2か所でさらに輪っかを作って、下の写真のように先端の輪っかごと4回程度くぐらせます。
先端の輪っかを引っ張って結び目を作ります。
最後に、結び目を唾などで濡らしながら、ハリスを四方向から引っ張ります。糸を直結する結び方の一つである、トリプルサージェンスノットと同じ要領です。
枝糸をもう一つ作る
ハリスをさらに1.5mほど出して、先ほどやった一つ目の輪っかと同じものを作ります。
一つ目の輪っかとの間の距離はお好みでいいですが、最低でも50㎝は空けた方が枝針どうしが絡みにくいと思います。
先端にサルカンを付ける
重りを付ける側にスナップ付きサルカン、道糸とつなげる側に通常のサルカンを結びます。
サルカンを結ぶ前に、枝針の輪っかの状態を確認して、どちらを上にした方が使いやすそうか確認しましょう。必ずしも図のようにハリスを切ったほうを上にした方がいいとも限りません。
なお、サルカンの結び方は、クリンチノットでも、漁師結びでも、好きなやり方で大丈夫です。
枝針用の輪っかを切って針を付ける
枝針を完成させます。輪っかになっている枝糸の片方をハサミで切ります。
このとき、枝の向きが結束部から上向きになるように切りましょう。逆側を切ってしまうと、枝糸と幹糸が絡みやすくなってしまいます。
最後に、枝糸の先に狙う魚に応じたサイズの針を結びます。結び方は、外掛け結び、内掛け結び、など好きなやり方で構いません。
もし、枝糸が長すぎる場合は、ハサミで適切な長さにカットします。
胴付き仕掛けの完成
下の3枚の写真が、これまでの手順で筆者が作った胴付き仕掛けです。ハリスは、愛用しているBOSMENTの3号を使っています。
まずは、重りの付いている先端部分はこんな感じ。夜釣りで使ったため、アピール力アップにケミカルライトが付いています。
下の枝針には、トレブルフック4号を付けました。
ただ、結果的にはこれが根掛かり連発の原因になったので、枝針にトレブルフックを使うのはお勧めしません。
上の枝針には、伊勢尼9号を付けました。
幹糸と枝糸の結束部はこんな感じです。フルパワーで引っ張っても、ずれたり、外れたりしません。
この胴付き仕掛けに青虫を付けて待っていたら、アナゴが掛かりました。強度は全く問題なしです。
枝針を後付けする方法
枝針を後付けする方法は、他の方の書いた記事でも多数紹介されていますが、念のため簡単に解説しておきます。
幹糸と枝糸の太さを変えたい場合は、どうしても後付けする必要があります。
下の図のように、幹糸と枝糸を重ね合わせたまた輪っかを作り、二本の糸をまとめて3,4回輪っかに通します。
最後に両端から力いっぱい引っ張れば完成です。
非常に簡単ですが、結束強度としてはそれほど高くないと思います。少しでも強度を上げたければ、ひねる回数を増やしてみてください。
最後にまとめ
今回は、結束強度が高く、比較的短時間で完成する枝針の作り方を紹介しました。
注意すべきポイントはただ一つ、枝糸を幹糸にくっつけるのではなく、一本のハリスで枝糸も幹糸も作ってしまうことです。
そのためのお勧めの手段として、ハリスの途中に外れにくい輪っかを作る方法を紹介しました。
読者の皆さんも、強度の高い、短時間でできる、オリジナルの結束方法を考えてみてください。