初めに
以前から行くのを躊躇していた船釣りですが、先日ようやく私のテニス仲間であり釣りの師匠であるマンボ師匠の船に同行することができました。
実際に船釣りをしてみると、乗船して初めて気が付いたことも多数ありました。近海の釣果情報では、真鯛が40枚上がった、などの記述があります。そのため、船釣りに行く前の日は、緊張していたのか楽しみすぎたのかほとんど寝ることができませんでした。
果たして本当に期待通りの釣果が出たのか、岸からの釣りしかしたことのない筆者が、ショアの道具と強運を握りしめて真鯛狙いの船釣りにチャレンジしてきました。一度船を体験してしまうと、ショアに戻ることができなくなるのではないか、と心配していましたが、どうなったでしょうか?
釣りの準備
天気と潮
- 日付・・・2022年3月中旬(早朝~昼)
- 場所・・・家島近海
- 天気・・・晴れ
- 風・・・2~4m/s
- 気温・・・最高:18℃、最低:10℃
- 水温・・・11~12℃
- 潮・・・大潮
タックルと仕掛け
- 釣法・・・鯛サビキ、鯛ラバ、シラサエビの餌釣り
- 竿/ロッド・・・MajarCraft SOLPARA SPX-96
- リール・・・ダイワ レブロス5000D-CH
- 道糸/ライン・・・PE2号+フロロカーボン5号(1.5m)
- ウキ・・・なし
- ハリス・・・がまかつ 真鯛サビキ(フロロカーボン2号、道糸は4号)
- 針・・・がまかつ 寒グレ8号
使用したエサまたはルアー
マンボ師匠に確認したところ、真鯛を狙うのであればまずは鯛サビキだけは必須とのこと。ショアから真鯛をピンポイントで狙うことはしたことがないので、ここは師匠の教え通りにしておいたほうがいいかもしれません。
そこで、船釣り当日、私のよく行く明石の釣具店に立ち寄って、アドバイスをもらいに行きました。
今から真鯛釣りに行くんですけど、道具は何がお勧め?
この質問に対して、店員さんはマンボ師匠と同じように、最初に鯛サビキをお勧めしてきました。この鯛サビキですが、ショアで使う小物狙いのサビキとは全然違うもので、やたらと仕掛けの全長が長いです。
アジ用のサビキでも悪戦苦闘する筆者は、10mもあるサビキを揺れる船の上で扱う自信がありません。そこで、店員さんはショートタイプというものを紹介してくれました。
これでも全長3.4mとかなり長く感じますが、せっかくの船釣り、手数を多く持っていた方がよいので1つ買っておきました。
以前から船釣りをするのであればジギングをしたいと思っていたので、それに近い仕掛けの鯛ラバも購入しておきました。
最後に、サビキにも鯛ラバにもかからなかった時の保険として、シラサエビを一マスだけ買っておきました。店員さんが言うには、これだけ手数を揃えておけば何かはくるはず、とのこと。
結果的には、この最後の保険が本日の釣果を決定するとは、買った当初は思ってもいませんでした。
準備
船用の竿やベイトリールを私は持っていません。前日に釣具店で相談したところ、船竿がないなら全長の短いエギングロッドを持っていくことをお勧めされました。青物と違って、真鯛は餌を丸呑みするような食べ方をせずに、少し突いて違和感を感じたら口から放してしまうこともあるようです。
しかし、私はできるだけ自分が使いこなしている竿を使いたかったため、船の上で取り回しがしやすい9.6ftのMHのショアジギングロッドを使うこととしました。竿の硬さはドラグ調整でカバーします。
トラブルが起こることも想定して、ほとんど使ったことのない格安エギングロッドにダイワのクレストを付けて予備として船に持ち込んでおきます。
実釣記録
出船 ・・・6:30
出船直前に酔い止め薬を飲んで、若干緊張しながら後方に座りました。人口の河口からゆっくりと出発します。
東の空に朝日が昇ってきれいです。遠方には、淡路島と明石海峡大橋が見えています。所々に工場から出てくる煙も風情があります。
家島近海の漁礁ポイントに到着したところ、すでに10隻程度の先客が釣りを始めていました。普段に比べると潮が流れているようで、マンボ師匠曰く、今日は期待できそうとのこと。
釣り開始 ・・・7:00
まずは、マンボ師匠と釣具店の店員さんお勧めの鯛サビキをセッティングします。一番下に重りが必要ですが、ここは60gの鯛ラバを付けて重りの代わりにしました。
鯛サビキの下に鯛ラバを付けるのは一般的なやり方のようです。ただ、私の買ってきたサビキは、鯛ラバを付けるタイプではないようで、結び直しをして無理やり先端に鯛ラバの頭をつけてみました。
水深は30~35mのようです。当日は満潮でかなり潮が流れていました。60gでは底が取れたタイミングがわからない心配がありましたが、サミングすればなんとなくわかりそうです。底をついたと思われるタイミングで糸の出るスピードが突然変わるので、そこに意識を集中したところ何となくですがわかりました。
それでも3回に1回くらいは底に付いたタイミングがわからなかったため、その場合はカウントを明らかに超えていると判断したタイミングで巻き始めることとしました。この方法で結果的には、一度も根掛かりすることはなかったです。
保険のシラサエビを使用 ・・・8:00
1時間くらい鯛サビキに反応がなかったため、ここで保険のシラサエビを使用開始します。鯛サビキの針は4本ついていますが、このうち2カ所程度にシラサエビを付けて当たりを待ちます。
シラサエビが勝手にアピールしてくれるはずなので、巻取りスピードは極端に遅くしました。
何度か船を移動しましたが、私だけでなくマンボ師匠にも当たりがありません。周りの船も、まれにカサゴなどの根魚の釣果があるくらいで、真鯛の釣果はほとんどないように見えました。
真鯛ヒット ・・・11:00
だいぶ太陽が昇ってきて、時々休憩をはさみながら繰り返していたところ、仕掛けが底をついて巻き始めた瞬間に今までにない違和感がありました。
根魚かと思って軽く合わせを入れたところ、緩めにしていたスピニングリールのドラグが音を上げ始めました。ショアから釣るブリ系の魚とは引き方が違って、ゴンゴンと竿を叩く動きをします。
きた
えっ、なんか言った?
でかいかも、ゴンゴン叩く
まじで、それ多分本命やで
マンボ師匠が自分の仕掛けを引き上げて、タモの準備をしてくれました。鯛サビキの針は小さいため、ドラグを締めるのは勇気がいりましたが、スプール1/4回転ずつくらい締めては回収を3回ほど繰り返したところ、姿が見えてきました。本命の真鯛です。
ショアと違ってタモ入れは簡単です。マンボ師匠が慣れた手つきであっさりと取り込んでくれました。取り込んだ直後の写真はこんな感じです。
さっそく、メジャーで計測してみたところ56㎝ありました。一般の魚屋さんで購入したら数千円はするサイズです。
食いついたサビキ針の場所を確認したところ、シラサエビを付けていた場所でした。どうも底をついてから巻きあげた瞬間ではなく、フォールの途中で食いついたようです。
引き上げ ・・・12:30
一人一匹ずつ持って帰りたかったので、残ったシラサエビを分け合って何とかもう1匹師匠にも本命を釣り上げてもらいたいところでしたが、昼過ぎになってだいぶ体力もなくなってきたので、ここで終了としました。
実釣の感想
出発前に自分が想像していたよりも良かったことと少し残念だったことをまとめておきたいと思います。まずは良かったことから。
- 餌取りが少ないため、掛かったら大物であることが多そう。
- 余裕が出てくれば、景色が楽しめる、潮風が気持ちいい。
- 意外と酔わない。これは私だけの問題。
- 釣れなければすぐにポイント移動ができる。
- ライジャケが必須なこと以外、意外と船特化で必要な道具は少ない。
- ショアではタモ入れに失敗することがあるが、船はタモ入れが簡単。
次に少し残念だったことも書いておきます。これは、初めての船釣りで感じたデメリットであって、いずれも慣れれば解消できるものばかりです。
- ショアと比べると、仕掛けの交換に時間が掛かる。
- 道具は必要最低限しか持ち込めない。
- 3月の低水温では、船であってもバンバン釣れるわけではない。
- 小型の船ではトイレがないので、体調が悪くなったら大変。
- 服が濡れる。
結局、船には船の、ショアにはショアの釣り方と楽しみ方があると思いました。短時間で高確率に大物を釣り上げたければ船、のんびりと楽しみたければショアがよさそうです。
そういえば、出発の前日にLINEを使って私の釣り仲間である「支配人」「ヤクルト」「マンボ師匠」にこんな質問をしていました。
船釣りでライジャケ以外に忘れそうなものある?
酔い止めの薬
ラケットとボール
強運をお忘れなく
前日に聞いておいてよかったです。師匠、ありがとう。強運を忘れていたら運命の一匹に会うことはできなかったかもしれません。