初めに
釣具店にいっぱいカゴが売っているけど、何が違うの?使いどころは?
こんな悩みを持っている方の疑問を解決します。
カゴ釣りはサビキ釣りと同じような撒き餌を使いますが、サビキのような疑似餌ではなく、オキアミなどの生餌を付け餌とします。撒き餌と付け餌を同じようなものとすることで、水中に漂う餌の中に一つだけ毒饅頭があるようなイメージです。
これは、「ふかせ釣り」「紀州釣り」と考え方は同じですが、カゴ釣りにはさらに遠投ができるメリットがあります。
カゴ釣りで使うカゴは釣具店を覗くといろいろな種類があり、実際に使ってみないと使いやすいかどうかがなかなかわかりません。
この記事では、実際に私が使ったことのある様々な種類のカゴの使いやすさやコストパフォーマンスに感想を加えて紹介したいと思います。
なお、カゴ釣りの仕掛け作りは、下の記事で別途まとめています。
カゴの種類
釣具店に行くと様々なカゴが並んでいますが、それぞれのカゴの使いどころをまとめて解説しているのを私は見たことがないです。そのため、実際に使ってみて初めてわかる使いやすさ使いにくさがあります。
基本的な使い勝手である5項目、及びそれ以外に実際に使ってみて気が付いたことをまとめておきます。
カゴには商品名はあるのですが、種類別で公式な名称はおそらく存在しません。そのため、私が勝手に種類ごとに適当なタイプ名称を付けて紹介します。
★☆☆ | ★★☆ | ★★★ | |
---|---|---|---|
撒餌の入る量 | 少ない | 普通 | 多い |
使える撒餌 | アミエビ | 小型オキアミ | 大型オキアミ |
撒餌の拡散 | 着水即拡散 | ウキ立ち後拡散 | 徐々に拡散 |
仕掛けの絡みやすいさ | 絡みやすい | 普通 | 絡みにくい |
カゴの値段 | 800円以上 | 500円以上 | 500円以下 |
サビキタイプ
- 撒餌の入る量 ★☆☆(少ない)
- 使える撒餌 ★☆☆(アミエビ)
- 撒餌の拡散 ★☆☆(着水即拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★★☆(普通)
- カゴの値段 ★★★(500円以下)
堤防で釣りをしていると一番よく見かける青いカゴです。写真のカゴは、仕掛けの下にしかつけることのできないタイプですが、上カゴとしても使えるタイプや、天秤付きのものもあります。
このタイプは遠投してしまうと着水の瞬間に撒餌がほとんど拡散してしまいますが、サビキ釣りとして使う場合は堤防壁際にゆっくりとカゴを落とすことで海中で安定してから撒餌を拡散させることができます。
若干壊れやすいですが、コストパフォーマンスを考えるとサビキで使うにはこれが一番いいです。
プラ製ロケットタイプ
- 撒餌の入る量 ★★☆(普通)
- 使える撒餌 ★★☆(アミエビ・小型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★★★(徐々に拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★☆☆(絡みやすい)
- カゴの値段 ★★☆(500円以上)
ロケットの形にすることで、サビキカゴに比べて遠投しやすくしたカゴです。カゴは上下に分かれており、撒餌を入れるときは両手で上下に開きます。
サビキカゴに比べると撒餌は入れづらいです。上下の蓋の片方を回転させることで、撒餌の放出される量を変えることができますが、実際に使ってみると撒餌が残ってしまうことがよくあります。
また、使っているうちに上下の蓋の間に何らかのゴミが挟まって回転しづらくなってきます。
後述する遠投タイプのカゴに比べると欠点が目立ちますが、お手軽にカゴ釣りをしたいときにはこのタイプを使うのがいいです。
プラ製ロケットタイプ天秤付き
- 撒餌の入る量 ★★☆(普通)
- 使える撒餌 ★★☆(アミエビ・小型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★★★(徐々に拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★★☆(普通)
- カゴの値段 ★★☆(500円以上)
プラ製ロケットタイプに天秤を付けて、仕掛けとの絡みやすさを解消したものです。その他の特徴は同じです。天秤が付いた分だけ値段は若干高くなりますが、ロケットタイプを使うのであればこちらのほうが使いやすいです。
プラ製ロケットタイプパタパタ付き
- 撒餌の入る量 ★★☆(普通)
- 使える撒餌 ★★☆(アミエビ・小型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★★★(徐々に拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★☆☆(絡みやすい)
- カゴの値段 ★★☆(500円以上)
プラ製ロケットタイプの底に撒餌放出用の穴とその蓋を付けることで、着水直後の撒餌の放出を抑えつつ、ウキが安定した後に徐々に撒餌が出てくるようにしたタイプです。その他の特徴は同じです。
カゴの底に穴がありますが、アミエビであってもなかなか外に出て行かずに溜まってしまうことがあります。そのため、底をハサミなどで大きめの穴をあける加工をすると撒餌が残ってしまう問題を解消できます。
金属製タイプ
- 撒餌の入る量 ★★☆(普通)
- 使える撒餌 ★★☆(アミエビ・小型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★☆☆(着水即拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★★☆(普通)
- カゴの値段 ★★☆(500円以上)
金属製タイプは小型のものから大型のものまであるので、箇条書きに書いた特徴は写真のものと考えてください。
大型の金属製タイプは、大型オキアミも入れることができます。その他の特徴はサビキカゴに近いです。撒餌投入口として蓋が付いているものがほとんどで、比較的撒餌を入れやすい構造をしています。ただ、何回か使っていると蓋に寿命が来ることが多いです。
コストパフォーマンスは悪くないので、カゴ釣りで最初に選ぶタイプとしてはお勧めしたいです。
金属製タイプ天秤付き(お勧め)
- 撒餌の入る量 ★★☆(普通)
- 使える撒餌 ★★☆(アミエビ・小型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★☆☆(着水即拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★★★(絡みにくい)
- カゴの値段 ★★☆(500円以上)
金属製タイプに天秤を付けて、仕掛けとの絡みやすさを解消したものです。その他の特徴は同じです。
私が一番愛用しているカゴの一つです。特にサビキ釣りで遠投をする時、ハリスとカゴが絡むことが多いため、遠投サビキ釣りをするときに有効なカゴです。
金属製タイプはいろいろな種類が売っていますが、なぜか天秤付きのものは種類が少ないです。個人的には、もっと大型の金属製タイプで天秤が付いているものが販売されてほしいです。
遠投タイプ
- 撒餌の入る量 ★★★(多い)
- 使える撒餌 ★★★(アミエビ・小型オキアミ・大型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★★★(徐々に拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★★☆(普通)
- カゴの値段 ★☆☆(800円以上)
蓋が上下に分かれており、ウキが安定した後に水圧で蓋が開きます。そのため、付けエサの近くで撒餌を拡散させやすく、海中での付け餌との同調がしやすくなっています。付けエサを針ごとカゴの中に閉じ込めてから投げることで、より撒餌との同調がしやすくなります。
カゴ上部にある小さいゴムでフタを上から押さえることで、陸上でフタがしっかりと閉まるタイプがあります。このゴムは、陸上ではカゴが開きませんが、水中に入ると水圧でフタが開く仕組みになっています。
ゴムで押さえる仕組みがないタイプは、キャスト中にフタが開いて、空中で撒餌が散らばってしまうので、必ずゴムがあるタイプを買おう!
堤防から超遠投をして真鯛やグレを狙いたい場合は、このタイプがお勧めです。
遠投タイプ天秤付き(お勧め)
- 撒餌の入る量 ★★☆(普通)
- 使える撒餌 ★★★(アミエビ・小型オキアミ・大型オキアミ)
- 撒餌の拡散 ★★★(徐々に拡散)
- 仕掛けの絡みやすいさ ★★★(絡みにくい)
- カゴの値段 ★☆☆(800円以上)
遠投タイプに天秤を付けて、仕掛けとの絡みやすさをさらに解消したものです。その他の特徴は同じです。私が一番愛用しているカゴの一つで、堤防から超遠投をして真鯛やグレを狙いたい場合などに使いましょう。
こちらのカゴも、フタをゴムで押さえる仕組みを持っているものにしましょう。
メーカーによっては、かごの底の部分が衝撃に弱く、キャスト時に誤って地面にぶつけたりすると簡単に壊れてしまいます。
キャストするときに地面にかごをぶつけることが多いので、注意して投げるようにすれば壊さずに長く使えると思います。
遠投かごは当たり外れが大きいため、別の記事で選び方をまとめています。こちらも参考にしてください。
反転タイプ
私は使ったことがないのですが、紹介だけしておきます。形状は金属製タイプと同じですが、ウキが立って海中で安定した直後にカゴが重力で上下反転することで付け餌周辺で撒餌を拡散させやすくしています。
カゴを使う上で大事なこと
カゴ釣りは非常に理にかなった釣法だと思うのですが、カゴ釣りの最大の欠点は仕掛けが複雑で絡みやすいことです。そのため、カゴ釣りをしているとどうやったら絡みにくくできるか考えさせられます。
絡みにくくするには、餌のついた針とハリスを天秤に近づかせないようにしなければなりませんが、そのための仕組みの一つが天秤になります。
天秤付きのカゴは若干値段が高いため、下の写真のような単品の天秤とカゴを組み合わせることで絡むにくくさせる方法もあります。