初めに
エアレーションなんて泡出すだけだから、安っすいやつでいいんでしょ?
ダイソーの釣具コーナーで見かけたんだけど・・・買って大丈夫?
格安エアレーションを買って失敗した経験のある筆者が、お勧めのエアレーションの選び方を詳しく説明します。
エアレーションは、「エアーポンプ」または通称で「ブクブク」と呼ばれ、生き餌を使う釣りをする場合に必要不可欠な道具の一つです。
このエアレーションですが、一見するとモーターを回してチューブに空気を送り込むだけの単純な道具に見えます。
特段、品質面での差がなさそうな道具ですが、釣具店に行くと1,000円以下のものから5,000円前後するものまであります。
値段の差はどこにあるのでしょうか?
初めて買うときは、何が違うのかわからなくて、つい価格だけで選んでしまいそうですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
この記事では、生き餌を使った釣法で必要不可欠なエアレーションの正しい選び方を説明していきます。
エアレーション選択のポイント
錆び付きにくさ【超重要】
初めてエアレーションを買う人が最も重視してほしい性能が、機器の錆び付きにくさです。
屋内で金魚などの飼育をする時であれば、この錆び付きにくさを気にする必要はありません。
しかし、釣りの生き餌のために使う場合、釣り場で海水を完全に避けて使うことは難しく、多少の水滴で壊れてしまうものは選ぶべきではありません。
特に、低価格帯のエアレーションで防水性能に問題のあるものが多いです。
ただ、低価格なのにしっかり防水できるものもあるので、その見極めができるかどうかがエアレーション選びの重要なポイントと言えます。
防水性能を決めるのが、下の写真のパッキン部分です。
このゴムパッキンがないものや、すぐに切れてしまいそうなものは、防水性能が低い可能性があります。
エアレーション内部に水が浸入すると、下の写真のような電流の通る金属接続部が腐食してきて、使えなくなってしまいます。
連続稼働時間
使用する乾電池の電力量とモーターの消費電力に応じて、連続稼働可能な時間が決まります。
短いものだと10時間程度、長いものだと60時間以上連続で使えるタイプもあります。
電池切れをすると、10分程度で生き餌が死んでしまいますので、できるだけ長時間使えるものがお勧めです。
あと、電池はできれば毎回新品にするのがいいですが、もったいなければ電池切れをこまめにチェックする癖をつける必要があります。
【ワンポイント】単一か単三か?マンガンかアルカリか?
乾電池タイプのエアレーションですが、単一タイプと単三タイプがあります。
単三電池の方が汎用性が高く、初めてエアレーションを買うとき、つい単三タイプを選んでしまいそうですが、筆者は断然単一タイプをお勧めします。
一般的に、単一電池は単三電池に対して5倍以上の電力容量を持っているため、同じ量のエアーを出すのであれば、単純計算で単一タイプの方が5倍の寿命があることになります。
モーターの消費電力や電池の本数にも依存するので一概には言えませんが、概ね単三タイプの方が電池交換の頻度が多くなります。
あと、もう一点、電池のマンガンタイプとアルカリタイプの選び方も注意が必要です。
つい価格の安いマンガン電池を買ってしまいそうですが、必ずアルカリ電池を買うようにしましょう。
アルカリ電池は、「お勧め」ではなく「must」と言える!なぜなら・・・
マンガン電池はアルカリ電池に対して寿命が短いことは知られていますが、それ以上にマンガン電池には根本的な欠点があります。
マンガン電池は、出力できる電圧が使用開始から急激に下がってくる特徴があります。つまり、マンガン電池は、使用開始からモーターの回転力がすぐに落ちていきます。
アルカリ電池は、寿命の直前で電圧が急激に下がる特徴があるため、エアレーションを100%に近い能力でギリギリまで使えると言えます。
エアー強度
モーターの回転速度によって変わる、単位時間当たりの送風量で表され、0.4~1.5L/分程度の幅があります。
送風量が弱いと、ストーンから出てくる泡も少なくなって、水中に溶かせる酸素も少なくなります。
酸素が少ないと、生き餌が早く弱ってしまいそうな気がしますが、大きさ20㎝四方のバケツにアジ10匹程度であれば、0.4L/分であっても、問題なく生かし続けることができます。
これよりも大きいバケツで20匹以上のアジを生かすとなると0.4L/分はやや不安ですが、水汲みバケツ程度の大きさであれば送風量が弱くても大丈夫です。
その他のポイント
観賞用の水槽に使うようなエアレーションがホームセンターなどに売っていますが、これには引っ掛ける部品がついていないことがあります。
引っかける部分がないと、エアレーションを地面に置いたままにすることになります。
地面に置いたままにすると、海水が掛かりやすくなるので、引っかけられる部品が付いたものを買うようにしましょう。
釣具店に売っているエアレーションであれば、大概は引っかけ部が付いています。
付属しているストーンは、送り込む空気を細かくして水と空気の触れる面積を増やすことで、溶け込む酸素量を増やす役割があります。
ストーンは大きいほど泡が細かくなります。
地面にぶつけると割れてしまうこともありますが、100均やホームセンターで単品購入することもできます。
筆者の使用経験のあるお勧め商品
筆者が使っている商品で、お勧めできるものを2つ紹介します。
一つ目は、TAKAMIYAから出ている釣具のポイントオリジナル商品で、名前はずばり「エアポンプ」です。
1,000円前後の安い価格設定ですが、防水性能はIPX5と高い基準となっています。
IPX5というのは、水没させない限りは水が内部に入らないくらいの防水性能を表しています。
筆者は実際に一年以上使いましたが、しっかりネジを締めて使ったところ、内部の錆び付きは全く見られませんでした。
二つ目は、Hapysonから出ている商品の中で、最も安価に提供されている「YH-707B」です。
価格は店頭で3,000円前後ですが、通販で買えばもう少し安く購入できます。
Hapysonと言えば、釣り業界では電気ウキとエアレーションに定評があります。
特にエアレーションは、他のメーカーに対して2,3歩リードしていると思えるくらい品質が良いです。
特筆すべきは連続稼働時間で、エアー強度を0.45L/分に抑えることによって、アルカリ電池1本で60時間超という驚異の稼働時間を実現しています。
防水性能のIP値の表記はありませんが、筆者が使ってみた実感でTAKAMIYAと同等以上の性能があります。
Hapysonは、他にエアーの強度調整ができたり、充電できるタイプもありますが、生き餌を半日生かす程度であれば、この安い単一電池タイプがお手頃です。
エアレーションの中には、10,000円前後する高級品もある。ただ、モーターには必ず寿命があるので、どんなに高級品であっても、永遠に使えるわけではないぞ!
ダイソーエアーポンプ
ここ数年で、100均釣具は目覚ましい進化を遂げてきましたが、ついにエアレーションまで商品化されてきました。
下の写真は、2024年5月頃からダイソーで見かけるようになってきた商品で、770円(税込み)という価格設定になっています。
製品本体は、こんな見た目になっています。
釣具店に売っているエアレーションは、フタを開けるとモーター部も含めて内部が見えるものが多いですが、このダイソー商品は乾電池取り付け部だけが開く構造になっています。
パッケージ裏に表記されている性能は以下のようになっています。
防水性能が最も気になるところですが、IPX4となっており、TAKAMIYAに比べるとやや劣るようです。
乾電池を入れる部分を開いてみると、防水の肝であるゴムパッキンが若干頼りない気もします。
防水については、時間を掛けて使わないとわかりませんが、ダイソー釣具は全般的に金具部がサビに弱いものが多いです。
この商品の製造元は、おそらくトレブルフックなどを作っているメーカーとは異なると思いますが、今後長期間使ってみてサビに対する強さを検証する必要がありそうです。
ちなみに、乾電池は単一1本となっています。
エアー強度は強弱あり、弱モードで0.7L/分です。連続稼働時間は、弱モードで40時間となっています。
この辺りのスペックについては、TAKAMIYAやHapysonと同等と言えます。
その他のダイソー商品については、以下の記事でまとめていますので、こちらも参考にしてください。