初めに
釣りを始めたいんだけど、ルアーがかっこいい?餌釣りの方が釣りやすい?
そのような方に向けて、どちらから始めたらいいかアドバイスします。
釣りを始める時、餌釣りをするかルアーフィッシングをするか選ばなければなりません。
釣りを知らない人は、一組の釣り竿とリールでどんな釣りでもできると考えることがあります。しかし、餌釣りとルアーフィッシング、それぞれ快適にやるためにはどうしても別々に道具をそろえる必要があります。
この記事では、今から釣りを始めたい人が、どちらの釣法から始めたらいいのか、餌釣りとルアーフィッシングの特徴がわかるように比較して紹介します。
なお、もっと広い視点で釣りを始めたい人が最初に読んでほしい内容は下でまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。
ちなみに、筆者クマは、餌釣りもルアーも両方とも好きで、どちらも甲乙つけがたい。これから釣りを始めたい人でも、最初の入り口はどちらかに絞って、慣れたら両方やったら、より釣りの幅が広がるはずだ。
餌釣りを選ぶ
何が釣れるの?
餌釣りとルアーフィッシングでは、餌釣りの方が釣れる魚の種類が豊富です。
アジ・サバなどの小魚から、グレ・真鯛などの中型の魚、ブリなどの大型青物まで、ルアーに比べて多くの魚種を餌釣りで釣ることができます。
また、餌釣りでもルアーでも釣れる魚については、餌釣りの方がヒット率が高いことがほとんどです。
揃える道具は?
竿・リール・道糸などはルアーフィッシングと共通ですが、針・ハリス・ウキ・重りなど小道具が多くの種類あります。釣法によっては、追加でカゴや撒き餌のスプーンなどが必要です。
タックル周り以外に、水汲みバケツ、生き餌を使う場合はエアレーションなども必要になります。
このように、餌釣りはルアーフィッシングに比べると道具が多くなる傾向があります。
初期投資はどれくらい?
餌釣りは揃えるべき道具の種類は多いですが、それぞれの道具の単価はルアーフィッシングに比べると安い傾向があります。
もちろん、最高級の道具であれば餌釣り用もルアーフィッシング用も同じくらい高価ですが、餌釣りの方が初心者向けのお手頃な道具が多く存在します。
最も安いセット物の道具であれば、5,000円もあれば餌釣りが開始できます。
毎回の釣行で掛かるお金は?
餌釣りは、毎回の釣行で餌を買わなければ釣りができません。
初心者向けの餌には、オキアミ・アミエビ・青虫などがありますが、1,000円もあれば半日程度の釣行で十分な量が購入できます。
より釣果を出したければ、シラサエビやウグイなどの生き餌を購入することもあります。これらの生き餌は、半日釣行で2,000円くらいは必要です。
釣具店で買う餌は割高です。一部の餌は、スーパーや鮮魚店でも購入できますので、慣れてくれば釣具店以外で餌を揃えてみましょう。
筆者の考える餌釣りの特徴
筆者の考える餌釣りの特徴を箇条書きにするとこんな感じです。
- 魚のヒット率が高い
- 基本的に待ちの釣り
- 準備する道具が多い
- ウキが沈んだ瞬間にでる脳汁がたまらない
餌釣りに向いているのは、のんびりと待ちの釣りをするのが楽しい人、そしてウキが沈んだ時の視覚的な楽しさが好きと感じる人、ではないかと思います。
ルアーフィッシングを選ぶ
何が釣れるの?
餌釣りとルアーフィッシングでは、ルアーフィッシングの方が釣れる魚がやや狭くなります。
ただ、最近は、餌で釣れる魚はほとんどルアーでも釣る方法が確立されてきています。堤防からよく釣れる魚で、餌釣りでないと厳しいものは、強いて言えばグレ・カワハギ・ウマヅラくらいです。
平均すると餌釣りの方が単位時間当たりのヒット率は高いですが、突発的に発生するナブラなどのチャンスタイムではルアーの方が有利なケースもあります。
揃える道具は?
竿・リール・道糸、及びリーダーとルアーがあればルアーフィッシングが成立します。餌釣りに比べて、ルアーフィッシングは必要となる小道具が少ない特徴があります。
餌釣りをする場合は事前準備に時間がかかりますが、ルアーフィッシングは揃えるべき道具が少ないため、思い立ったときに家にある道具を持って直接釣り場に行っても釣りが成立します。
初期投資はどれくらい?
ルアーフィッシングは必要となる小道具が少ないですが、それぞれの道具の単価は餌釣りに比べると若干割高な感じがします。
例えば、餌釣り用のハリスとルアー用のリーダーは、それぞれ別の商品として売られていますが、素材としてはほとんど同じものです。しかし、一般的にリーダーとして売られているものの方が割高になっています。
ルアーフィッシングもセット物がありますが、セット物でもルアーを含めると10,000円程度は必要です。
毎回の釣行で掛かるお金は?
毎回必ず買わなければならないものはありません。道糸(ライン)やリーダーなど消耗品は、劣化したら交換が必要ですが、上手に使えば10回程度の釣行で使い続けることができます。
ただ、実際に釣りをしてみると、毎回何かしらのトラブルで道具を破損したり、なくしたりします。それらの補填のため、新たに購入すると、餌釣りと同様かそれ以上にランニング費用が発生します。
特に初心者のうちは、ルアーを頻繁に紛失します。
釣具店で売っているルアーは500円以上と高価なため、慣れないうちは100均のものを混ぜて使うのがお勧めです。
筆者の考えるルアーフィッシングの特徴
筆者の考えるルアーフィッシングの特徴を箇条書きにするとこんな感じです。
- 魚のヒット率が低い
- アクションを入れた攻めの釣り
- 準備する道具が少ない
- ヒット直後の手に伝わる引きがたまらない
ルアーフィッシングに向いているのは、自分で様々な工夫をしながら魚を誘うのが楽しい人、そしてヒットしたときの手元に伝わる引きが好きな人、ではないかと思います。
堤防から釣れる魚と時期
月ごとに、筆者の住む関西地区で、初心者が餌釣りとルアーフィッシングで釣ることのできる魚をまとめておきます。釣れる魚のうち、上級者でないと釣れない魚は除外しています。
初心者が1月に釣れる魚
- 餌釣り・・・無理
- ルアーフィッシング・・・無理
初心者が1月に釣りをするのはお勧めしません。沖縄・九州を除いて、初心者が1月に堤防から釣れる魚はないと考えてください。
釣りの上級者であれば、メバル・カレイなどの海底にいる魚であれば狙うことができますが、初心者が簡単に釣果を出すことはできません。
初心者が2月に釣れる魚
- 餌釣り・・・無理
- ルアーフィッシング・・・無理
2月は1月以上に釣りには厳しい時期です。釣りの上級者であっても、この時期の釣りは我慢するのが普通です。
初心者が3月に釣れる魚
- 餌釣り・・・無理
- ルアーフィッシング・・・無理
一般的に、日本の3月は最も水温が低くなる月で、釣りにとって最も厳しいと言われます。
この時期になると、中級者・上級者が船で真鯛を狙いに行きます。しかし、水深の浅い堤防から釣るのはかなりのベテランだけで、初心者には難しいです。
初心者が4月に釣れる魚
- 餌釣り・・・メバル、真鯛
- ルアーフィッシング・・・メバル、青物
4月になると水温が上昇し始めます。
メバルや鯛系の魚はこの頃から堤防で釣れるようになってきます。ただし、釣り方にかなりの工夫が必要です。
4月後半くらいから、ようやく堤防で青物が釣れるようになってきます。ただ、回遊の頻度は低く、ルアーにかけるにはかなりの強運が必要です。
初心者が5月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ、メバル、真鯛
- ルアーフィッシング・・・アジ、メバル、青物
ゴールデンウィークは、堤防に家族連れで釣りに来ている風景をよく見ます。しかし、ほとんど釣れていないのも毎年恒例です。
堤防周辺に、アジなどの小魚は回り始めますが、活性が低く、サビキなどの初心者向けの釣りにはなかなか掛かってくれません。
5月後半になると、小魚の活性が上がってきて、同時にそれを餌にする中型・大型の青物の回遊が増えてきます。
この月くらいから、早朝ルアーマンが堤防に並ぶ光景が見られるようになってきます。
サバはルアーでも釣れることがありますが、あえて狙うことがないのでルアーで釣れる魚からは除外してます。
初心者が6月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ、メバル、真鯛、タコ
- ルアーフィッシング・・・アジ、メバル、青物、タコ
筆者が考える釣りシーズン開幕はこの6月です。
この月になると、ようやく釣り初めての方を連れて行ってもいいかなという気分になります。これより早い月は、餌釣りでもボウズの可能性が比較的高いため、なかなか釣り初めての人は誘いにくいです。
タコは初心者が簡単に釣れるわけではないですが、釣りのお土産の中で最も喜ばれることが多いので、加えておきました。
初心者が7月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ、タコ
- ルアーフィッシング・・・アジ、青物、タコ
7月後半になると、水温が上がりすぎて、特に中型以上の魚が堤防から離れていきます。
ただし、アジ・サバなど、サビキで釣れる小魚は好調で、早朝であれば1時間で30匹以上釣れることもあります。
そのため、釣り初めての方は、この時期に釣りを始めると釣りの楽しさを感じやすいと思います。
メバルは、7月以降も釣れますが、「春告魚」と書くこともあるくらいなので、夏以降の対象魚としては外しました。
初心者が8月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ
- ルアーフィッシング・・・アジ、青物
8月は最も水温が高くなる時期で、大型の魚が釣りにくくなります。
その代わり、小魚は好調で、早朝のサビキが楽しめます。
日中は中型以上の魚は厳しいですが、夜釣りであれば餌釣り・ルアーともに大サバを狙うことができます。夏は日中の釣りが人間に厳しいので、可能なら夜釣りにチャレンジしてみましょう。
初心者が9月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ、太刀魚、真鯛、イカ
- ルアーフィッシング・・・アジ、太刀魚、イカ、青物
9月後半になると気温が下がり始め、最も釣りがしやすい時期になってきます。
近年の釣り人気で、この時期の週末になると、人気堤防は早朝から満員御礼が出ていることも多く、釣り座の確保に苦労することが多いのもこの時期の特徴です。
この時期は、小魚から大型青物までなんでも釣れますが、関西地区お勧めは夜釣りでやる太刀魚です。
太刀魚は、餌釣りでもルアーでも道具がシンプルで、初心者でも比較的簡単に最初の一匹に会うことができます。掛った時の引きも強烈で、釣りが病みつきになります。
初心者が10月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ、太刀魚、真鯛、イカ、グレ、カワハギ、ウマヅラ
- ルアーフィッシング・・・アジ、太刀魚、イカ、青物
10月は、1年12か月のうちで最も釣りに適した月です。
10月の筆者お勧め釣り物は、グレのかご釣りです。仕掛けが若干複雑ですが、比較的堤防際まで寄ってくれる魚で、タイミングが合えば初心者でも半日で10匹以上釣れることがあります。
もちろん、中型以上の青物を狙うにも最適の月で、ルアーでも餌釣りでも終日やれば1匹くらいは持ち帰ることができます。
青物を餌釣りで狙う場合は、飲ませ釣りという釣法が必要で、初心者には少々ハードルが高いかもしれません。チャレンジする場合は、上手な人と一緒にやってみましょう。
初心者が11月に釣れる魚
- 餌釣り・・・アジ、サバ、太刀魚、真鯛、イカ、グレ、カワハギ、ウマヅラ
- ルアーフィッシング・・・アジ、太刀魚、イカ、青物
11月も10月同様、釣りに最適の月です。
お勧めの釣り物も10月と変わりありません。
11月後半になると、一部の地域では水温が15度近くまで下がって、若干魚の活性が下がってきます。
初心者が12月に釣れる魚
- 餌釣り・・・真鯛、グレ
- ルアーフィッシング・・・青物
12月になると、急激に釣りが厳しくなってきます。
12月上旬の餌釣りであれば、ギリギリ11月の釣り物を楽しむことはできますが、水温の低下とともに日に日に釣れなくなります。
小魚はサビキでほとんど掛からなくなり、小魚が少なくなる影響で中型以上の青物の回遊も極端に減ってきます。
そのため、ルアーで青物を狙うのであれば、12月から始めるのはあまりお勧めできません。