初めに
2022年秋に出たシマノの新リール、22ミラベルの使い心地はどうなの?
このような読者の方向けに、筆者が実際に買って評価した感想を紹介します。
リールはダイワ一筋の筆者ですが、以前から一回はシマノのリールにチャレンジしてみたいと思っていました。
ひいきのリールメーカーの良さを知るには、ライバルメーカーの商品と比較して初めて感じることもあるはずです。
新たにシマノにチャレンジするからには、実釣で十分に使える性能がありそうなグレード、及び話題性のあるシリーズを選びます。
調べてみたところ、ちょうど2022年秋に完全な新シリーズ「ミラベル」がリリースされた、とのこと。
この記事では、筆者が実際にシマノ22ミラベルを買って、実釣で使ってみて感じた使い心地、ダイワのリールとの明確な違い、これらをまとめたいと思います。
基本的なスペック
販売価格
22ミラベルC5000XGの、釣具店、アマゾンにおける実売価格ですが、特売時を除いて13,800円前後となっています。
私が買った時には、冬の特売をしていて11,880円で売られていました。
1000番から5000番の番手ラインナップがあります。大型魚というよりは、中型以下の魚種をターゲットとして開発されたシリーズと思われます。
筆者は初めてシマノのリールを買いましたが、このミラベルというシリーズは、ダイワの「フリームス」とグレードとしては同じ位置づけのようです。
ミラベル・フリームスは、各釣具店でガラスのショーケースに展示される中でも、最も安いシリーズに該当するグレードと考えてください。
ミラベル・フリームスは、お店によってはガラスショーケースではなく、通常展示しているぞ!
22ミラベルC5000XGの基本性能
22ミラベルC5000XGの基本スペックを紹介しておきます。
- ギア比・・・6.2
- 重さ・・・270g
- 最大ドラグ力・・・11㎏
- 糸巻量・・・PE2号で300m、ナイロン4号で190m
メーカーHPに詳細が記載されていますので、こちらも参考にしてみてください。
各部のファーストインプレッション
リール全体
できれば同じグレードに該当するダイワの「フリームス」と比較したかったのですが、筆者が持っていないので、代わりにダイワの20レブロスLT5000D-CHと比較していきます。
左が22ミラベル、右が20レブロスです。
今回筆者がミラベルを買いたいと思ったきっかけの一つがこの外観です。
各シリーズのリールですが、一般的なのはシルバーを基調としたものと黒を基調としたものです。個人的には、黒を基調としたシリーズが好きです。
ミラベルは、リールの回転部だけでなく、ハンドルも含めて、光沢のある黒で統一されている。男の子は、つい惹かれてしまうな~
ベール部
ベール部を見てすぐにわかる違いが、ベールの軸の太さです。
下の写真を見てわかる通り、ダイワの方がベールの軸が太くなっていることがわかります。これは、どうもシリーズに寄らず、全般的にダイワの方が太い傾向があるようです。
ベールを開く操作は、シマノは開ききるまで力が必要なのに対して、ダイワは少しの力で”カコン”という感じで開きます。
これは、どちらの方がいいかは好みではないかと思いますが、一方のメーカーだけを使っているユーザーには違和感があるかもしれません。
ベールを閉じる操作は、両メーカーともそれほど変わりありませんでした。
ドラグ部
まず、ドラグノブのサイズですが、全体的にミラベルはレブロスに比べて一回り小さくなっています。
ドラグ力の微調整をする時には、大きめのドラグノブの方がやりやすい気がします。
実際に回してみると、これはおそらくですが、誰が回してもレブロスの方が回しやすいと感じると思います。ミラベルは、回した感じが固いです。
ただ、これも使い慣れれば、大きな問題ではなさそうです。
ハンドル部
1000~5000番の中で、唯一5000番が丸形タイプとなっています。
今回筆者が5000番を選んだのは、丸形の方が、中型以上の魚とのファイトで力が入れやすいためです。
筆者が持っているリールで、ハンドルが丸形のものはダイワの22カルディアがあります。握り心地は似たような感じです。
リールフット部
リールフット部の外観はこんな感じです。
ここは精巧なパーツではないので、気になるのは、他の釣具メーカーの作る竿との親和性ではないかと思います。
ダイワのリバティクラブT20-360に、シマノのミラベルを装着してみました。
この金具で固定するタイプの竿は、しっかりつなげないとリールがグラグラします。しかし、ミラベルについては、しっかり固定できました。
その他のポイント
最近の新しいリールで逆回転レバーのついているものはほとんどありませんが、このミラベルについても同様です。
道糸をひっかける部分(ラインストッパーというらしい)の形状も、ミラベルとレブロスで異なります。
ミラベルは三角形状、レブロスは四角形状となっています。実際に道糸を引っ掛けてみると、ミラベルの方がやりやすいです。
実釣による検証
お正月に真鯛を狙ってみる
筆者が持っているリールは、ほとんどPEラインを巻いています。この22ミラベルですが、ウキ釣り専用とするため、ナイロン3号を巻いておきました。
正月のこの時期は、まだ真鯛が狙えます。
かごとシラサエビで、22ミラベルの使い心地を検証してみます。
タックルと仕掛け
- 釣法・・・かご釣り(シラサエビ使用)
- 竿/ロッド・・・ダイワ リバティークラブT20-360
- リール・・・シマノ 22ミラベルC5000XG
- 道糸/ライン・・・ナイロン3号
- ハリス・・・ダイヤフィッシング BOSMENT(フロロカーボン2号)
- 針・・・がまかつ チヌ針4号
遠投性能が高い
遠投かご釣りは、遠投性能が重要な釣果を左右する要素です。
今回用意したタックルは、3.6mの投げ竿、ナイロン3号、という、遠投には若干不利な条件がそろっています。
しかし、キャストしてみると、
すげー飛ぶ気がする・・・
なぜかイメージしているより20~30%飛ぶ感じがします。
理由を考えてみたのですが、もしかすると22ミラベルのスプールの形状が効いているのかもしれません。下の写真はスプール部を拡大したものです。
さらに、赤枠部を拡大するとこんな感じ。
道糸が新品であったことも影響しているかもしれませんが、どうもこのスプールの糸が出ていく部分の形状がかなり研究されていて、キャスト時の道糸に掛かる摩擦を最小限に抑えている気がします。
このスプールの中でキャスト時に放出される糸と接触する部分の形状は、シマノのリール全体で統一されているようで、ダイワのリールとは異なる形状です。
巻き心地がいまいち
今回検証した実釣ですが、25㎝前後の真鯛15匹、42㎝の真鯛1匹、チャリコ4匹、と爆釣しました。
25㎝の真鯛はリールゴリ巻きで引き寄せましたが、5000番の割にはトルクがいまいちな気がしました。
真鯛が叩いているときにゴリ巻きすると、リールを通じてダイレクトに魚のパワーが伝わってきます。
ドラグは普通に使える
実釣前に確認したところ、ドラグノブが若干硬い気がしました。
しかし、実際にヒットしたときにドラグ調整をしてみたところ、全く違和感なく調整できました。
また、魚が暴れた時も、概ねイメージ通りにドラグが働いてくれます。
ドラグ音が若干おもちゃっぽいのが気になりますが、機能面での不安はなさそうな感じです。
シマノのドラグノブが固いのは、もしかすると「あえて」そうしているかもしれない。ダイワのドラグノブは、軽い力で回るが、その代わり、ベールの開け閉めで手がドラグノブに触れると、意図せずに回ってしまうことがある。
ベールの開け閉め
ベールを開ける操作で、22ミラベルがダイワのリール全般に比べて硬い感じがしていました。
実釣では、キャスト直前のベールを開ける操作で違和感がありましたが、これはダイワに慣れている筆者が感じることで、やはり慣れれば大きな問題ではなさそうです。
実釣結果は別の記事でまとめています。
総合評価
ほとんどダイワしか知らなかった筆者が、22ミラベルを使ってみた感想は、
両社優れている部分と劣っている部分がある
ということです。優れていると感じるか、劣っていると感じるかは、使っている本人によって異なります。
筆者は、遠投性能についてはダイワのエントリーモデルに比べて、22ミラベルの方が高いと感じます。
しかし、ドラグの使い勝手やスムーズさは、ダイワのエントリーモデルの方が優れていると感じます。
それ以外の部分も、文章では表しにくいですが、シマノとダイワでは手に持って操作した時の感じ方がかなり違います。
今回初めてシマノのミドルレンジモデルを買いましたが、実釣で十分使えることが確認できました。
中級者以上の釣り人は、シマノ派とダイワ派に分かれる傾向があります。
両方均等に評価することはなかなかできませんが、バランスよく使って、両社のいいところを発見すると、また釣りが一段と面白くなりそうです。
ダイワの22カルディアSWのインプレについては、こちらの記事をどうぞ。