初めに
ダイソーからリーダーが発売されたけど、実釣で使って大丈夫?
そのような方に向けて、筆者が実釣で使ってその実力を確認してみました。
100均業界が釣具に参入して以降、メタルジグ、ジグヘッド、トレブルフック、太刀魚テンヤ、などのタックル関連の道具だけでなく、水汲みバケツ、フィッシュグリップなど、優秀な周辺商品が次々出てきています。
しかし、価格的メリットがなくても100均商品を選ぶか?というと微妙で、筆者はダイソーVJが唯一価格メリットがなくても選ばれる商品ではないかと思っています。
さて、今回紹介するリーダーですが、もしかするとダイソーVJに次ぐ、釣り業界を震撼させる商品かもしれません。
ダイソーVJが主に大きな影響を与えたのは、みなさんご存じの「芯の男性」だけです。
しかし、100均リーダーがもし釣り専業メーカーと同等以上の性能を持っていることがわかったら、その影響を受けるメーカーは相当な数になります。
100均釣具に頑張ってほしい、と同時に、あまり釣り業界をいじめないで、という複雑な思いで、100均リーダーを検証してきましたので紹介します。
ダイソーリーダーの外観
パッケージ
筆者のよく行く近所のダイソーは、特に釣具に力を入れています。
ダイソーでは、商品の仕入れは各店舗のスタッフにゆだねられているようで、スタッフに釣り好きがいると、必然的に釣具の品ぞろえが良くなります。
筆者ご用達のダイソーには、
この列、全部釣具で揃えときました!
という、釣りに詳しい女性店員さんがいるので、好んで利用させてもらっています。
ここの店舗でリーダーを確認したところ、以下の2サイズがありました。
パッケージの裏はこんな感じです。製造国は中国となっており、他のよく釣れる!釣具シリーズと同じみたいです。
ダイソー釣具をよく見てみると、「よく釣れる!釣具シリーズ」と、そうじゃない商品がある。筆者は、「よく釣れる!釣具シリーズ」がダイソーの自社工場製、それ以外はサードパーティ製ではないかと予想している。
材質
この100均リーダー、最大のいちゃもんの付け所が材質です。ナイロン製となっています。
一般的に言われている、ナイロンとフロロカーボンの特性をまとめておきます。
【ナイロン】
- 伸び縮みしやすい。
- メートル単価が安い。
- 劣化しやすい。
- こすれる動きに対して、フロロカーボンよりは弱い。
【フロロカーボン】
- 伸び縮みしにくい。
- メートル単価が高い。
- やや劣化しづらい。
- ナイロン、フロロカーボン、PEラインの中で、最もこすれる動きに強い。
筆者がメインで使っているリーダーやハリスはフロロカーボン製ですが、ナイロン製も持っています。
実際に使ってみると、1回の釣行でそんなに差を感じるほどのものではないです。
陳列されているダイソー釣具を見る限り、現時点でダイソーはフロロに手は出していないようだ。ただ、将来220円など高価格商品としてフロロカーボン製が出てきたら、そのインパクトはより絶大だ!
糸の太さ
中心の軸はどうでしょうか?ダイワのSALTIGAと比較してみます。
ダイワは8号(0.477㎜)、ダイソーは7号(0.43㎜)なので、若干ダイソーの方が細いです。
さらに接写した写真がこんな感じです。
買った時期が違うので一概に比較はできませんが、ダイソーリーダーの方が透明度が高い気がします。
これだけではどちらが優れているというのはわかりませんが、少なくともダイソーリーダーがダイワブランドに見た目で負けている感じはしません。
実釣による検証
夜釣りでアナゴを狙ってみる
先月の釣行でアナゴが掛かったのですが、これの頭と内臓だけ取ってトースターで丸焼きにしたら、脂が乗って予想外に美味でした。
アナゴは、根魚狙いの仕掛けになるので、胴付き仕掛けとしてみます。
アナゴを狙ったことのある人はわかると思いますが、ヒットするとローリングで逃げようとするため、かなりの高確率で仕掛けがダメになってしまいます。
こういう釣りこそ、100均ハリス(リーダー)の活躍場面ではないでしょうか?
天気と潮
- 日付・・・2022年12月上旬(深夜)
- 場所・・・明石市沿岸
- 天気・・・晴れ
- 風・・・1~2m/s
- 気温・・・最高:16℃、最低:7℃
- 水温・・・18~19℃
- 潮・・・大潮
タックルと仕掛け
- 釣法・・・餌釣り(胴付き仕掛け)
- 竿/ロッド・・・NISSIN PROSTAGE SPEED ISO α 遠投4号4.5m
- リール・・・ダイワ 20レブロスLT5000D-CH
- 道糸/ライン・・・PE2号+ナイロン4号(20m)
- ハリス・・・ダイソー リーダー用ナイロンライン5号
- 針・・・がまかつ チヌ針3号,5号
この時期の夜釣りで根魚を狙うと、アナゴ以外にカレイやカサゴ系も掛かってくる可能性があります。
針サイズは悩むところですが、大きさの違う2サイズのチヌ針としてみました。
餌はアオイソメの太めを1000円分用意しておきます。半分くらいにちぎって前後の針に付けてみました。
アナゴ狙いの場合、ブラクリなど針を限りなく底に付ける釣法が推奨されることが多いですが、筆者は根掛かりが怖いので、胴付き仕掛けとしています。
胴付き仕掛けの枝針は、先端の重りに対して10㎝以上は浮く位置につけます。
これで、根の荒いポイントや、他の釣り人のゴミが海中に散乱しているポイントでも、根掛かりを回避しやすくなります。
胴付き仕掛けの自作方法は、別の記事でまとめています。
アナゴヒット
胴付き仕掛けでアオイソメを付けて眺めてと、毎投竿先に何らかの反応があって面白いです。
ただ、竿先にピクピクという反応が来たときは、だいたいフグなどの餌取りであることが多い気がします。
本命がヒットするまで、
- フグ
- チャリコ(真鯛)
- カサゴ
などいろいろ楽しませてくれました。
深夜3時頃になって、ようやく本命のアナゴヒットです。
予想通りローリングされて、ハリスと針にアナゴの体液のネバネバまで付けられて、仕掛けはぐちゃぐちゃでした。
5号のナイロンリーダーですが、歯の鋭いフグが掛かった時も、噛みちぎられることなく引き上げることができました。
底の荒いところでも、多少リーダーに傷がつくくらいで切れることはなかった。アナゴのローリングにも耐えた。この感じだと、大型の青物狙いでも問題なく使えそうだ!
飲ませ釣りでも余裕で使える!
筆者は、飲ませ釣りのハリスとして、最近はダイソーリーダー7号をメインで使っています。
5号だと歯が鋭い魚に切られてしまうこともありましたが、7号に変えてからはヒットしてから今のところ100%取り込みまで成功しています。
実釣記録を紹介しておきます。
今後の期待
今回紹介した5,7号のリーダー以外で、ダイソーから出ている「よく釣れる!釣具シリーズ」には、以下の3サイズがハリスとして並んでいました。
また、よく釣れるシリーズ以外に、以下の商品もありました。
ダイソーとしては、餌釣りのハリスとして使う場合、ルアーフィッシングのリーダーとして使う場合、それぞれ分けて考えていると思われます。
ただ、釣法が違うだけで、ハリスもリーダーも目的はほとんど同じです。
今後、2~4号の中間サイズのリーダーが出てくれると、どんな魚種でも100均で対応できるようになるかもしれません。
ついにPEラインが出た
先日ダイソーを確認したところ、PEラインが4サイズ、それぞれ税込み330円でラインアップされていました。
スペックはパッケージ表面に記載されています。その中で、気になるのが100mという長さです。
ラインの結束をしたり、ライントラブルがあったりすると、すぐに短くなっていくことを考えると、この商品を50m以上遠投して使うのは無理があります。
となると、使えそうな場面は、
- エギング
- ウキ釣り以外の餌釣り
くらいです。
また、PEラインは道糸として使うため、ハリスやリーダーのような使い捨てではありません。少なくとも、5,6回の釣行では使い続けるのが普通です。
筆者は、年間釣行回数30回以上だが、PEラインは一年間使い続けるぞ!
つまり、PEラインは短くなってすぐに付け替えるのではなく、一定期間使い続けられないと手間がかかりすぎて使おうという気にならないです。
このダイソーPEライン、おそらく検討に検討を重ねてスペックと価格を決めたと思いますが、筆者としては、使用できる釣行場面がない、と結論付けました。
非常に残念ですが、引き続きダイソーには、実釣で使えるスペックの検討をしてもらいたいところです。
PEラインが改良されてきた
2023年12月に筆者の行きつけのダイソーを確認したところ、ついに200mのPEラインが出てきました。
値段は550円ですが、これであればどのような実釣でも使えそうです。