初めに
ゴールデンウィークだから家族で釣りに行ってみようかな
春に魚って釣れるの?
こんな釣りの悩みを持っている方にお答えします。
釣り人が寂しい思いをしている冬の時期を過ぎて4月になると、釣具店では「いよいよシーズン到来!」などの店内放送が流れてきます。
中には3月くらいからこのような店内放送が流れていて、いくらなんでも早すぎだろ、と思うのですが、それでも我慢しきれない釣り人(筆者含む)は、3月後半から魚のいない海に向かって餌を撒きに行って当然にようにボウズで帰ってきます。
九州・沖縄よりも緯度の高い地域、瀬戸内海や日本海側などの暖流が通らない地域は特にシーズンがくるのが遅い傾向があります。
釣りを今年から始めようという人は、正直言うとGWは少し時期的に早いです。やってみるとこんなに釣りって難しいのか、と感じるかもしれません。
この記事では、ゴールデンウィーク前後の釣りが厳しい理由とそれでも狙ってみたい魚について紹介します。
意外と厳しいゴールデンウィークの釣り
低水温に強いメバルやカレイなどを除いて、魚は一般的に水温が15度を超えないと餌に食いつかないと言われます。
下の図は、気象庁のホームページにある2021年5月1日の海面水温を表示したものです。
海上にひかれている線は、等水温を表していて太平洋沿岸を囲う太い線は18度となっていることがわかると思います。
瀬戸内海などの暖流の直接通らない海域は、これよりもさらに2,3度低いため、2021年のGW中の太平洋側の内海や湾内における海水の表面温度は15度前後であったと思われます。
海水温は気温の2か月遅れと言われており、GWの水温は12月~1月とほぼ同じです。つまり、釣りをするための適温という意味ではGWはまだ早いことがわかります。
さらに、下の図は2021年2月1日と2022年2月1日の海水温を表した図です。瀬戸内海に注目すると、2022年の方が水温が低いことがわかると思います。
このことから、去年釣れたのに、今年は全然釣れない、というようなことが起こりえます。
なお、GW前後は鯛系の魚が産卵のため接岸する時期になります。上級者向けにはなりますが、チヌ狙いはこの時期が一番適していると言われています。
ゴールデンウィークに釣れる食べられる魚
メバル・カサゴ
アオイソメなどの虫エサで底付近を狙います。オキアミでも釣れますが、虫エサの方が食いが良いです。
GW中に初心者が比較的容易に釣れる魚が、このメバルまたはカサゴです。メバルは低水温に強いのですが、逆に水温が20度を超えてくると釣れなくなってきます。
私の瀬戸内海での経験では、6月まで徐々に大型になって、7月になると突然釣れなくなるイメージがあります。
アジ
サビキで狙うのが一番効率的です。
夏から秋にかけてであればサビキで毎投釣れるアジですが、GW中は容易には釣れません。特に日中はスズメダイの群れが発生すると、ほぼ釣り上げるのは不可能になります。
GWに限った話ではないのですが、特にアジは早朝の特定の時間帯に集中して釣れる傾向があります。
私の経験では、早朝6時までがアジの釣れる時間、6時以降がスズメダイの時間です。スズメダイが現れる時間になったらしょうがないので、その日はスズメダイに遊んでもらいましょう。
グレ
フカセ釣り、またはかご釣りで狙います。
グレは秋と春に釣れると言われますが、春の方が圧倒的に難易度が高いです。
また、サイズも小さいことが多く、食味も秋に比べると落ちます。狙って釣るには、ある程度の経験が必要で、初心者がGWに挑戦するには若干敷居が高いです。
チヌ(黒鯛)
フカセ釣り、またはかご釣りで狙います。餌は通常はオキアミを使いますが、より食いが良いと言われるシラサエビを使う人もいます。
また、私はやりませんが、上級者の方だと貝やコーンを使って狙うこともあります。
写真は私が4月下旬に通常の堤防から釣り上げたものですが、通常の堤防から釣り上げるにはある程度の知識と運が必要です。
ふかせ釣りのやり方については別の記事でまとめています。参考までにリンクを張っておきます。
真鯛
かご釣りで狙います。
チヌと違って、堤防際ではなく若干離れた位置にいます。一般的には”駆け上がり”と呼ばれる、海底面が急激に落ち込んで斜めになっている底付近にいると言われています。
そのため、遠投ができるかご釣りが堤防からできる最適な選択肢になります。
写真は、シラサエビを使ったかご釣りで、堤防から50m程度かなり遠投をして釣り上げたものです。真鯛を堤防から狙う場合、遠投できる距離は釣果に影響します。
真鯛のかご釣りは、若干上級者向きです。かご釣りのやり方と実釣記録を参考までに載せておきます。
ヒラメ・カレイ
ヒラメはルアーまたは飲ませ釣り、カレイは胴付き仕掛けに虫餌を付けて狙います。
写真の魚はヒラメで、ウロコのある面を上にしたときに目が左側にある特徴があります。カレイはその逆で、右に目が付いています。
後述する青物狙いをしていると、極まれにヒラメがヒットしてきます。
瀬戸内海の場合、ルアーでヒラメを釣るのは難しく、お勧めはアジを使って底付近を探る飲ませ釣りです。
青物(ハマチ・メジロ)
ルアーまたは飲ませ釣りで狙います。
当日の潮によっては日中に釣れるかもしれませんが、基本は朝まづめです。餌釣りで狙う魚と違って、ブリ系の魚は回遊があるかどうかのほぼ運次第で釣果が決まります。
写真は私がGW明け1週間後くらいに釣り上げたもので、記念すべきルアーフィッシング1匹目の青物です。
その他の魚
GW前後はファミリーフィッシングを始める家族をよく見ますが、正直言うとGWの時期は上級者向けの大型ターゲットが多いです。
紹介した魚以外では、エギングによる春イカ狙い、夜釣りのシーバス狙いがこの時期に適していますが、いずれも初心者向けとは言い難いです。
最後にまとめ
写真で紹介した魚はいずれも私がGW前後に釣った実績のあるものですが、これらは数少ない釣果であって、アジでさえもなかなか釣り上げるのが難しいのがGWの釣りです。
食べられる魚を簡単に釣れる時期には少し早いです。だから、初心者がGWから釣りを始めるのはお勧めしません。
どうしてもGWから始めたい、そういう人は上手な人に連れて行ってもらいましょう。アジやサバを飛び越して、一匹目から50㎝越えの魚に出会えるかもしれません。