初めに
夜釣りにチャレンジしたいけど、準備する道具は?事前準備は?
夜釣りではどんな魚が釣れるの?
こんな夜釣り未経験者の悩みにお答えします。
釣りを始めることを決めた時、普通の人は日中の太陽が昇っている時間に釣場に向かうはずです。いきなり夜にやろうと思う人は相当変わっています。
少し釣りに慣れてくると、「朝まづめ」というフィーバータイムがあることをどこかから情報を仕入れてきます。
朝まづめ狙いをする場合は、早朝5時、早ければ4時くらいに釣場に到着すると思いますが、何度か朝まづめを狙って釣り場に通っていると、深夜ぶっ通しで釣りをしていたと思われる釣り人がいることに気が付きます。
深夜に釣りをしている人は、日中に釣りをする時間がなくてしぶしぶ夜に釣りをしに来ているわけではありません。彼らは夜に魚が釣れることを知っているわけです。
夜間にやる釣りは、日中の釣りにはない多くの魅力、それと少しだけ危険があります。
この記事では、夜釣り大好きの筆者が、日が暮れてから朝まづめまでの間にできる夜釣りの魅力をお伝えします。
夜釣りの準備
夜釣り特有の道具
日中の釣りには必要ないが、夜釣りには必要不可欠な道具を3つ紹介します。いずれも、明かりを確保するために必要な道具です。
- ヘッドライト
仕掛けづくりや夜道を歩くときに手元と足元を見やすくするために使います。
ヒットしたときの視界を確保するために海面を照らす目的でも使うことができます。ただし、海面を照らすと魚が逃げてしまうことがあるため、長時間海面を照らすのはマナー違反とされています。
ヘッドライトを選ぶ上で重要な選定基準は、「輝度(lm)」と「供給電力の方式(電池式orUSB充電式)」です。
輝度は、最大で100lmくらいあれば十分です。調光機能がついているとバッテリーの減る速度を抑えることができます。私が持っているものは、低輝度と高輝度を選択できるタイプで、ほとんどの場面で低輝度を使っています。
供給電力の方式は、USB充電式がお勧めです。電池式だと早いもので8時間程度連続点灯をしていると切れてしまうため、釣行ごとに電池を買ってくる必要があります。
ただ、USB充電式の場合、バッテリー切れを起こすと電池交換などで復旧させることができないため、予備で電池式を持っておくと万が一の時に困らなくて済みます。
ヘッドライトは、釣具店・ホームセンター・インターネット、それぞれで買うことができますが、他の道具に比べるとインターネットで売っているものが安くて種類が多いのでお勧めです。
- 電気ウキ
ウキ釣り仕掛けのウキとして使用します。普通のウキに専用の電池を先端に挿入することでライトが点灯します。品質の悪いものは電池の接触が悪くて釣行中に頻繁に電気が消えてしまうので、信頼できるメーカーのものを使うのがお勧めです。
その他、下の写真のようなウキトップに付けるLED単体の商品もあります。これを使えば、昼用のウキが夜釣りで使えます。
下の写真は、昼用の自立遠投ウキのウキトップに、LEDをつなげたものです。キャストで外れる心配があるので、私はビニールテープで外れないように補強しています。
電気ウキはいろいろなメーカーから発売されていますが、安いものだとすぐに壊れてしまうものもあります。また、有名どころの商品でも、数回の釣行で接触不良を起こすこともあります。
そのため、筆者は最近このようなLED単体の商品を購入して、昼用のウキに付けて電気ウキとして利用することが多くなっています。
- ケミカルライト
集魚、ウキの視認性確保、生き餌の寿命を延ばす、などの目的で使用します。サイズは25,37,50,75mmの4種類があります。
集魚を目的で使う場合、ハリスの途中に付けるか、ルアーに直接付けます。ハリスの途中に付ける場合は、主に50,75mmを使用します。下の写真のように、チューブをハリスに通して、ケミカルライトをそれにはめ込みます。
ルアーに直接付ける場合は、各種ルアーの中でケミカルライト用の穴が開いているため、それに挿し込みます。
下の写真のように、商品のパッケージに「ケミカルライトが取り付けできる」ことが明記されています。サイズは、25,37mmになります。
通常のウキにケミカルライトを付けることで、電気ウキの代わりにすることもできます。写真のように、ウキの頭にケミカルライトを挿入する穴が付いているウキが売っています。挿入可能なケミカルライトのサイズが商品ラベルに書いてあります。
輝度が低いため、電気ウキの方がやりやすいですが、もし電気ウキがなかったり忘れたりした時は、このようにケミカルライトで代用しましょう。
夜間に飲ませ釣り用の生き餌を釣るとき、生かしバケツの中に一時的に小魚を入れておきますが、中には暴れる魚もいます。アジは比較的おとなしいですが、サバやイワシは暴れてバケツの外に飛び出すことがあります。
そのようなときに、バケツの中にケミカルライトを入れておくと大人しくなります。ただ、これでも効果がない場合も多く、筆者はバケツの上にふたをしておくことがほとんどです。
ケミカルライトは使い捨てですが、下の写真のように電池式の水中ライトもあります。値段は500~1000円と高いですが、輝度が強烈なため、アピール力と見やすさは抜群です。
ケミカルライトで使うゴム製のチューブを使うことで、ハリスの途中に固定することができます。下の写真は、ケミカルライトの75㎜用のチューブで水中ライトを固定しています。
昼間のうちに準備しておきたいこと
夜釣りは、手元・足元が見にくいことから、釣り場に着いてからじゃないとできないこと以外は、できるだけ日中に準備を終わらせておきましょう。
私の場合、道糸の先に付けるハリスと針の組み合わせは、日中に作っておきます。さらに、ウキやスナップの結束もしておいて、釣り場に着いたらあとはハリスをスナップにつなげるだけというところまで準備しています。
夜釣りで釣れる魚の時期と時間
夜釣りで狙える魚は多くの種類がありますが、この記事ではすべての魚の紹介ではなく、どの時期にどの時間帯で釣れるのか、筆者個人の経験を基に釣りやすい3魚種に絞って紹介します。
下の表は、筆者のホームグラウンドである明石海峡周辺で、実際に釣ったことのある時期と時間帯を表したものです。
みんな大好きアジですが、そもそもアジは昼行性の魚のため、真夜中にはなかなか釣れません。深夜に釣りたければ、常夜灯など近くに何らかの明かりが必要です。
最も釣れるのは、日が昇る直前の時間帯です。筆者の感覚ですが、早朝3時くらいからサビキをしていると、ある時間から突然サビキ針に鈴なりに掛かりだして、30分ほどであっという間に時合が終わる、という釣れ方をします。
小アジのお土産を大量に持って帰りたいときは、この30分前後の時合に手返しスピードを上げる技量が求められます。
次に、サバについてですが、サバは夜中に群れで回遊する性質があります。自分の釣り場に回遊してくるかどうかは運任せで、回遊してくればいくらでも釣れるし、回遊がなければ全く釣れません。
夜中によく釣れる大サバは、地平線に太陽の光がぼんやりと見えだす明け方直前になると釣れなくなる傾向があります。
最後に、太刀魚ですが、この魚は数匹~数十匹の小さい単位で回遊していることが多い気がします。大阪湾~明石海峡で釣れる時期は8~10月と短いですが、時期が来ると夜通し回遊してきて、断続的に釣れることが多いです。
太刀魚も大サバ同様に、明け方直前になると釣れなくなる傾向があります。
カレイなど冬に釣れる魚も夜釣りの方が狙いやすいと言われていますが、難易度が高く、筆者は釣り上げた経験がないため、この記事では省略しています。
夜釣りの注意事項
足元に注意する
夜釣りをするのは昼間に訪れたことのある場所を選びましょう。いきなり夜に行くと、足場が悪い箇所がわからないためです。
堤防は比較的安全ではありますが、そもそも釣りをする目的で作られているわけではありませんので、自分の身は自分で守る必要があります。
貴重品やタックルの盗難防止
夜釣りは可能であれば単独で行かないほうがいいです。といいながら、私は単独で行くことが多いのですが、もし一人で行く場合はできれば同じ時間に来ている周りの常連さんと仲良くなりましょう。
見たことのある人が全くいない場合は、できればその日に来ている人当たりのよさそうな釣り人に挨拶をして、その場で釣り話を通じて仲良くなるのがいいと思います。
筆者は話しかけやすそうに見えるのか、夜中でもおっちゃんやお兄ちゃんに頻繁に話しかけられて、その都度釣り情報の交換をしているよ。
別の記事でも書きましたが、私は深夜に仮眠をとるために釣場を離れて1時間程度車の中で仮眠をしたときにタックル一式を盗まれたことがあります。それ以来、夜釣りで長時間釣場を離れることはしなくなりました。
ただ、トイレや買い物などでどうしても数分間は釣場を離れる場面が出てくるので、その時に周辺の人に一声を掛けておけば、盗まれる可能性も低くなります。
敵は人間だけではない
日中で人が頻繁に往来している堤防ではほとんど見かけませんが、人けがなくなると、姿を現す生物があります。
その意外な生物は、ネコやネズミです。
実際に筆者は非常に痛い体験をしましたので紹介します。
夜中の堤防で、タコ狙いのテンヤ釣法をしていたとき、買い物とトイレのため30分ほどその場を離れたことがありました。
戻ってくると、立てかけてあったロッドだけ行方不明になっていて、「やられた!」と思ったのですが、よく見まわすと30mほど離れた場所に転がっていました。
確認したところ、ロッドの一部、及びリールのベールに引きづったような大きな傷が入って、ボロボロにされていました。
ここからは想像ですが、おそらくテンヤに付けてあった「豚バラ肉」を、何らかの動物が持ち帰ろうと咥えて持っていこうとしたものと思われます。
夜釣りの敵は人間だけでなく、話の通じない動物もいます。貴重なタックルを置きっぱなしにすると、盗られたり壊されたりするリスクがあります。
休憩や場所取りで、その場を離れるなら10分以内、どうしても長時間離れるなら、貴重な道具は肌身離さずが基本です。
夜釣りの実釣記録をいくつか紹介しておきます。