初めに
YouTubeでFGノットの動画を見たけど、自分でやるとうまくできないんだけど。
そのような方に向けて、他であまり説明されていない、うまく結ぶためのポイントを紹介します。
糸と糸を直接結ぶ技術は、ルアーフィッシングにおいて必要不可欠な技術です。
いろいろな結び方が紹介されていますが、その中で最も有名な結びが「FGノット」です。
YouTubeなどをみると、もっと短時間でできて強度の高い結びが多数紹介されていますが、FGノットさえ完璧にできるようになれば、必ずしも他の方法を覚える必要はありません。
さて、FGノットですが、結果的な結び方は同じでも、そのやり方は人によって様々です。
専用の道具を使う人や、親指と小指それぞれに10回程度輪っかを作る人などがいますが、筆者は口を使ってラインを固定する「堀田式FGノット」を使っています。
この記事では、FGノットを組む上で、上手な人が無意識のうちにやっている意外なコツに焦点を当てて紹介します。
FGノットの構成
FGノットが締めこまれる前のラインとリーダーの関係を立体的に表すと、以下のような構成になっています。
赤い線はライン、青い線はリーダーを表しています。
これを見てわかる通り、リーダーがラインに対して八の字に編み込まれていることがわかります。
どのような結びであっても、その結束強度は、結びつける物どうしで発生する摩擦力をどれだけ高くできるか、で決まってきます。
摩擦力を高めるには、突き詰めると結びつける物どうしの接触面積を増やせばいいわけです。FGノットで接触面積を増やすには、
- ラインとリーダーを規則正しく編むこと
- ラインとリーダーを圧縮して編むこと
この2点を意識する必要があります。
逆に、糸どうしが不規則に折り重なったり、糸と糸の間に隙間があったりすると、結束強度が低くなります。
FGノットの結び方
ラインにリーダーを重ねて指で固定する
編み込む前に、ライン(道糸)が動かないようにします。竿側とラインの先端側いずれも固定する必要があります。
筆者は、竿側はリールのドラグをガチガチに締めて足などで抑え、ラインの先端側は口にくわえて固定しています。
次に、ラインとリーダーを十字になるように重ねます。ラインが下、リーダーが上です。
重ねた部分は、左手の人差し指と親指で挟んで動かないようにします。
リーダーの先端は、編み込み用に重ねた部分から約10㎝程度出しておきます。短すぎても長すぎても編み込みがやりにくくなります。
リーダーを指の間に押し込んで編み込む(ポイント)
ここからが編み込み作業で、筆者がFGノットを組む時、最も気を遣う工程です。
特に気を付けるべきポイントは、新しく編み込むリーダーが親指を中心にして外側にくるようにすることです。
実際にやってみるとわかりますが、慣れないと新しく編み込んだリーダーが図のように規則正しくならず、先に編み込んだリーダーと重なってしまいます。
毎回外側に新しいリーダーが来るように編まないと、完成したときの結束部分が「玉」のような形状になってしまいます。
リーダーが規則正しく先端側に編み込みされるための方法ですが、挟んでいる人差し指と親指を緩めないようにすることです。指を緩めずにギュッと挟んで、指の間にリーダーを押し込むように入れていきます。
指でしっかり押さえておくと、前回編み込んだリーダーの外側に新しいリーダーが固定されるようになります。
編み込む時は、リーダーを下から入れて上に巻き付けます。
この時、リーダーを引っ張って、できるだけリーダーどうしで隙間ができないようにします。
この編み込みを、親指を中心に、左→右→左→右→・・・、と左右10回ずつ程度繰り返します。
筆者は、編んでいるときに、次が左だったか右だったかわからなくなることがある。どうしても気になるならやり直せばいいが、仮にどちらか2連続で編んだとしてもそんなに強度に影響が出ることはないぞ。
ラインの先端を使って仮止めする
リーダーを左右10回程度編み込んだら、ラインの先端部分を持って、ライン本体とリーダーの先端ごと巻き付けてハーフヒッチで仮止めします。
なお、「ハーフヒッチ」というのは、一般的な用語でいうところの固結びのことです。
※図は左右5回編み込んでいますが、実際には10回程度は編み込みます。
編み込み部分を圧縮する(ポイント)
ハーフヒッチで固定したら、編み込んだ部分を舌で舐めて湿らせます。そして、4方向に出ている糸を目いっぱいの力で引っ張ります。
この時点で、編み込んだリーダーどうし隙間がないことが理想ですが、もし隙間がある場合は、下の図のように指で編み込んだリーダーどうしを圧縮して隙間を埋めてから再度引っ張ります。
ここの工程が結束強度に最も影響するので、筆者は一番時間を掛けて作業するようにしています。
ハーフヒッチを5回程度繰り返す
ラインの先端をハーフヒッチで結んで4方向から引っ張る作業を、5回程度繰り返します。
最初の仮止めで時間を掛けて強度を上げたのであれば、この繰り返し作業ではそれほど時間を掛けなくても大丈夫です。
余ったラインをカットする
リーダーを自分の好きな長さでカットします。筆者は1~1.5mとすることが多いです。あまり長すぎると、キャストするときに結束部がガイドの中に入って投げにくいので、初心者のうちは短めがお勧めです。
最後に、ラインの先端側、リーダーの先端側、それぞれ3㎜程度残してハサミでカットします。
より強度が気になる方は、リーダーの余り部分をライターで溶かしてコブを作るようです。筆者はコブを作りませんが、ここ2年程度FGノットが釣行中に切れたことはないです。
FGノット完成
出来上がりの結束部分を拡大したものが以下の写真になります。結束部は1㎝程度で、太さが概ね均等になっていることがわかります。
次に、下の写真は失敗例です。遠くから見るとうまく編めているように見えますが、よく見ると赤い部分と青い部分で太さが違います。
実際、赤い部分を手で触ると全く結束できていません。編み初めの時に、リーダーの引っ張りが足りないとこのような状態になることがあります。
この失敗例を見てわかるように、FGノットは編み初めが非常に肝心だ。編み初めで隙間なく左右均等にリーダーを固定することが、高い強度の結びとなる秘訣と言えるぞ。
FGノットが上手になったら
FGノットは、直結する結びの中では、出来上がるまでに比較的時間がかかる方ですが、慣れれば3分程度でできるようになります。
また、上手になれば、根掛かりして引っ張ったときも、FGノット部分が切れずに糸本体が先に切れるくらい、高い強度で結ぶことができるようになります。
なお、ラインとリーダーは細いほど結ぶのが難しくなります。
下の写真は0.6号のPEラインに1.5号のハリスを結んだものです。今回の記事で書いた手順を慎重にやれば、誰でもできるようになります。
筆者が使っているリーダーですが、ハリスとして売られている以下のBOSMENTという商品を使っています。
ハリスとリーダーは、使われている素材としては同じなので、もしルアーフィッシングと餌釣りどちらもやる方は、ハリスを買って共用するのがお勧めです。
ハリスとして売られている商品の方が、リーダーとして売られているものよりもメートル単価が安い傾向があります。
堀田式FGノットは、以下のYouTubeで公開されていますので、基本的な編み方を最初に知りたい場合はこちらを参考にしてください。
[初心者オススメ] 素早く簡単最強ノット!【堀田式FGノット】※公式最新版 - YouTube