初めに
釣りで使う錘には、重さ・形状いろいろあるけど、それぞれの使いどころは?
そのような方に向けて、使いどころをわかりやすく紹介します。
釣りをやらない人でも、錘が釣り道具の一つとしてあることは知っていると思います。
しかし、実際に釣りを始めて釣具店に行くと、びっくりするくらい多くの種類の錘があることがわかります。
釣りを始めた当初は、重さや形状など、なぜこのように多種多様なのか理解しがたいものですが、実際に使ってみるとそれぞれにはちゃんと意味があることがわかってきます。
この記事では、
- 錘を使う目的
- 錘の重さの違い
- 錘の形状の違い
これらについて解説していきます。
最後に、最近では100均でも錘が売っています。100均錘に対する筆者の考え方も紹介しておきます。
釣りの「おもり」の漢字表記は、「錘」「重り」いずれでもいいらしい。筆者のブログでは、読みやすい「重り」を使うようにしている。ただ、この記事だけは名詞・形容詞を区別しやすくするため、「錘」表記を使ってみた。
錘を使う目的
餌を目標の棚に誘導する
ウキ釣りで錘を使用する場合は、餌を目的の棚(水深)に誘導することができます。
錘の重さの違いは、どれだけ早く目的の棚に誘導できるかに効いてきます。もちろん、重いほど遠投性能も上がってきます。
また、流れが速いほど、錘の重さを重くすることで目的の棚をキープしやすくなります。軽すぎると、錘ごと斜めになってしまい、釣り人が思っている棚に届いてくれません。
これだけ聞くと、錘は重いほどメリットが多いように感じますが、錘を軽くするメリットもあります。
錘が軽いと、魚から見たとき仕掛け全体が潮流に自然な形で漂っているように見えやすくなります。つまり、錘を軽くすると、それだけ魚の食いつきがよくなります。
若干偏見が入っているかもしれないが、釣りがうまい人ほど錘負荷を軽くする傾向がある気がする。
仕掛けを一時的に底に付ける
ウキを付けない餌釣りで、底を取って誘いながら巻き上げる釣りで使用します。
メバルやタコなど、主に海底付近にいる魚を狙う時に使います。
中級者以上になってからやるべき難しい釣りで、初心者のうちにマネをしようとすると、根掛かり連発で釣りが嫌いになってしまいます。
仕掛けを底に着ける釣りは中級者以上がやるべき釣法だと思うが、釣り場に行くと、意外と初心者が虫と軽めの錘を使って根掛かりして悪戦苦闘していることが多い。
底を取って、少しずつ巻き上げたり、再度底を取ったりしながら誘いを入れる必要があるため、錘は軽すぎると底がとりにくくなり、重すぎると根掛かり連発になってしまいます。
筆者は初心者の頃のトラウマで、根掛かりが怖くて今でもこの釣法は無意識のうちに避けてしまいます。
堤防からのタコ狙いでは、錘を底に付けて引きずる以外に釣る手段がないため、タコを狙う場合は根掛かりのしにくいポイント選びが必要です。
仕掛けを底に固定する
ウキを付けない餌釣りで待ちの釣りをする時に、餌を海底に固定する目的で使用します。
虫を長時間底においてカレイなどを狙う時や、飲ませ釣りで必要な釣法です。
潮流に負けないように同じ位置に固定することが重要で、竿が錘負荷に耐えられるのであれば、できるだけ重い錘がお勧めです。
明石海峡などの潮流の激しいポイントの場合、PEライン2号であれば錘40号は欲しいところです。
また、潮流の影響を受けやすいより軸の太いナイロンラインを使う場合は、50号以上ないと転がってしまう心配があります。
錘の号数と重さの関係
錘の号数とグラムの関係は、単純計算で以下のように考えたらいいです。
錘の重さ(g)= 錘の号数 × 3.75
例えば、10号の錘であれば約37.5gとなります。
より小さいサイズの錘として、ガン玉とジンタンがあります。ガン玉の単位は「B」、ジンタンの単位は「G」で表現されます。
号数と違い、数字と重さが比例しません。例えば、1Bのガン玉が2個と、2Bのガン玉1個では重さが違います。
錘の形状と使いどころ
ナス型・ふんどう型
- 海底での転がりにくさ・・・普通
- 根掛かりのしやすさ・・・普通
- キャスト時のトラブル・・・普通
最もよく見るタイプの錘です。
取り立てて特徴のない錘ですが、その分どのような場面でも活躍することができます。
筆者は主にサビキ釣りとウキ釣りのときに使用します。
ナス型の錘は、釣行中に重さ調整をしたいときが結構ある。錘の表面に号数が表記されているものとないものがあるが、素早く判断するために、表記されているものがお勧めだ。
棒型
- 海底での転がりにくさ・・・転がりやすい
- 根掛かりのしやすさ・・・しにくい
- キャスト時のトラブル・・・普通
サビキ釣り、ウキ釣り、及び海底を引きずるような釣りで使用するタイプの錘です。
ナス型に比べると、海底にある岩などに引っかかっても抜けやすいと言われています。
筆者はこのタイプをほとんど使うことがないですが、強いて言えば、ルアーフィッシングで新しくノットを組んだ時の試行キャストで使っています。
ノット組みが失敗したときに高価なルアーごと飛んで行ってしまうのを避けるため、この棒型の錘で試投しています。
スパイク型
- 海底での転がりにくさ・・・転がりにくい
- 根掛かりのしやすさ・・・非常にしやすい
- キャスト時のトラブル・・・普通
カレイやヒラメなどの底物の魚を長時間かけてじっくり狙う時、及び飲ませ釣りのぶっこみ仕掛けとエレベーター仕掛けで使用します。
転がってしまうと非常に引っ掛かりやすいので、釣行するポイントの潮流の激しさに応じて重さを変える必要があります。
筆者のホームグラウンドの明石海峡周辺では、最低でも40号はないと転がってしまいます。
青物狙いの飲ませ釣りシーズンになると、筆者の住む地域では、40,50号のスパイク錘が多くの釣具店で品薄になります。
中通し型
- 海底での転がりにくさ・・・海底に置くことはない
- 根掛かりのしやすさ・・・海底に置くことはない
- キャスト時のトラブル・・・しにくい
一本針の餌釣りで、餌を目的の棚に届けるときに使用します。
ナス型でも同じことができますが、中通し型を使うと仕掛けが錘に絡む可能性をほとんど0にできます。
錘の交換をしたいときには、仕掛けを結びなおす必要があるため、釣行中に錘の微調整を頻繁にしたいときには不向きなタイプです。
テンビンタイプ
- 海底での転がりにくさ・・・普通
- 根掛かりのしやすさ・・・普通
- キャスト時のトラブル・・・起こりやすい
虫などの生き餌を使って底狙いをする釣りで使用するタイプの錘です。
テンビンが付いていることで、錘と仕掛けに距離を作ることができます。また、テンビンがあることで、海底で錘が立ち上がりやすくなります。
その結果、仕掛けが絡みにくく、根掛かりがしにくい、というのが売り文句となっています。
しかし、筆者の経験では、特段仕掛けが絡みにくかったり、根掛かりがしにくくなったりする感じはしません。
そもそも海底で起こる根掛かりは、仕掛けが潮流に流されて動くことで発生します。したがって、十分な重量の錘を使って動かないようにする方がより確実に根掛かりを減らせます。
釣具店でも念のためこのタイプの長所を聞き取りしたのですが、結局よくわかりませんでした。読者の方で、このタイプを使いこなしている方がいれば教えてほしいです。
ガン玉・ジンタン
- 海底での転がりにくさ・・・海底に置くことはない
- 根掛かりのしやすさ・・・海底に置くことはない
- キャスト時のトラブル・・・しにくい
仕掛けのハリスの任意の位置に取り付けることで、餌の微妙な沈下速度を変えるときに使用します。
主に、フカセ釣りなど、餌を水中で漂わせて誘う釣りで使用します。
初心者はあまり使う機会がない錘なので、釣り始めたてであればあまり覚える必要のないタイプです。
100均で買える錘
筆者が100均で見たことのある錘は、ナス型・ガン玉・テンビンタイプの3種類です。
ナス型ですが、4,5,6号のサイズが2個で110円で置いていますが、釣具店においてあるものの方が単価が安いので、100均で買う必要はありません。
ガン玉は、複数のサイズが入ったお得なものが置いています。筆者は使ったことがないですが、噂では重さが正確ではないようです。
微妙な負荷調整をするときに使うものなので、こちらも100均商品はやめた方がいいかもしれません。
テンビンタイプは、特に問題なく使えそうな気がします。
ただ、サイズが小さいものが多く、明石海峡のような流れの速い場所ではあまり使う機会がなさそうです。
以上のことから、100均で売っている錘は、2022年現在はあまり積極的に使う必要がない、というのが筆者の見解です。