初めに
釣具店にはいろいろなリールがあるけど、最初に選ぶのはどれがいい?
値段とか性能の違いはどう見たらいいの?
こんな釣り初心者の悩みにお答えします。
竿の選び方の記事を書いたので、次はリールを書こう、と思っていたのですが、竿と比較するとリールはいろいろな技術が詰まっていて、正直私のような素人には細かい部分を紹介するのが難しいです。
そのため記事を書くのを躊躇していたのですが、せっかくなのでこれから本当に1から釣りを始めたいというビギナーの目線でリールの選択基準をわかりやすいようにまとめたいと思います。私自身が解釈している内容としていますので、もしかすると一部正確ではない情報があるかもしれません。もし、ちょっと違うよ、という内容があれば、是非コメント欄でご連絡をお願いします。
なお、この記事では私自身が使ったことがないベイトリールについては説明の対象外とします。
リールの種類
リールは、大きく分けて「スピニングリール」と「ベイトリール」があります。それぞれ形も特徴も全く違うのですが、一般的に堤防で釣りを始めようという人はスピニングリールを選択します。
スピニングリールは釣具屋に行くと様々なシリーズがありますが、それぞれ使っている技術が微妙に違います。基本的に値段が高いものほど、釣具メーカーの高度な技術が詰まっているようです。釣法には大きく分けて餌釣りとルアーフィッシングがありますが、竿と違ってリールはどのようなものでもどちらの釣法でも使うことができます。
スピニングリールの各部の名称は以下の通りです。
リールを選ぶ基準
この記事では、私がお世話になっている神戸市内の某釣具店で店員さんに許可をいただいてリールの商品ラベルの写真を撮影させていただきました。ありがとうございます。
番手
番手は元々各リールメーカーの製造ライン番号を示すものだったらしいです。しかし、現在ではリールの大まかな大きさを示す指標として使われています。番手が大きいほど、糸の巻取り量・ドラグ力・重さ・値段が上がっていきます。
ただ、番手はあくまでも指標であって、同じ番手の中にも糸巻き量が多かったり少なかったりするものがあります。
糸巻き量
道糸を巻きとれる長さです。リールの大きさと溝の深さで量が決まります。
巻き取れる糸は長ければ長いほどいいのではないか?と思いますが、必ずしもそうではありません。スピニングリールはリール上部に糸がこすれながら出ていく動きですが、あまりにも溝の浅い位置から糸が出るとリール上部と糸が強くこすれるため、道糸の寿命が短くなってしまいます。そのため、リールの溝を1㎜程度残した状態で道糸を巻きつけておくのが理想です。
なお、仮に溝に対して購入した道糸が短い場合は、通常の釣具店では上げ底用の下巻き糸をサービスで入れてくれます。
店頭で売られているリールは、「PEライン2号200m」「ナイロン3号150m」という書き方をしています。巻き付ける糸の種類は別途考える必要があるので、これらの情報から自分が巻く予定の道糸の種類と太さを考えて、巻ききれるかどうか判断する必要があります。
例えば、「PEライン2号200m」のリールであれば、もしあなたがPEライン1.5号を使いたいと考えているのであれば、250mくらいは巻けるだろうと想定できます。逆にPEライン3号を200m巻きたいなら、もう少し大きめの番手のリールを選択する必要があります。
写真では、ナイロンはlb表記(ポンド)となっていますが、大まかには「ポンド÷4=号数」と換算できます。
最大ドラグ力
釣りを始めて初心者を卒業したあたりで、リールには糸を巻き取る以外に重要な「ドラグ」という機能があることに気が付きます。後日の記事で紹介しますが、私もルアーフィッシングで大物が掛かったとき、一番最初に調整するのがドラグです。
ドラグというのは、道糸に対して一定以上の引っ張る力が掛かった時に糸が少しずつ出ていく機能です。この機能があることで、強い「引っ張る力」が掛かっても、結束力の弱い部分が切断されずにリールで吸収することができます。
この糸が出始めた時の引っ張る力の強さをドラグ力といいます。ドラグ力はリール上部のネジを右回り左回りすることで、変えることができます。ネジを締め切った状態のドラグ力のことを最大ドラグ力と言います。最大ドラグ力以上の泳力で逃げる魚であれば、そのリールでは取り込みは難しいと言えます。
私は最大ドラグ力は高ければ高いほどいいと思っています。その分リールの重さは重くなりますが、10㎏を超える最大ドラグ力のリールでも重さ300g以下のものがほとんどで、特に重さと天秤にかける必要はないと感じています。
重さ
リールの重さです。一般的に同じ番手であれば、高級なシリーズであるほど軽くなる傾向があります。ただ、最近は1万円以下のリールでも軽量なものが多く、高級リールと比較して明確に体感できるほどの違いはないと感じます。なお、シリーズというのは、下の写真では「フリームス」と記載しているメーカーが持つ製品名になります。
ギア比
ハンドルを1回転させたときに、糸が巻かれているスプールが何回転するかを示す比率になります。下の写真であれば、ハンドル1回転の間にスプールが6.2回転する、という意味になります。また、番手の右側に記載のXHは「エクストラハイギア」の略称で、ギア比が最も高いリールに対して付けられます。
ルアーフィッシングにおいては、ルアーの回収スピードが速い「ハイギア」「エクストラハイギア」を推奨する方が多いようです。ただ、ノーマルでもギア比は5.2:1で、それほど違いがないため、個人的にはあまり気にする必要のあるパラメータではないと思います。
製造年度
それぞれのシリーズの最新バージョンの販売開始年度です。私がリール選びをするときに一番最初に気にするのはこの製造年度です。
真偽のほどはわかりませんが、現在5000~10000円で売られているリールの性能は、10年前の最高級品に匹敵するとのこと。実際に私が最初にリール選びをしたときに紹介してくれた某釣具店の店員さんも、数年前の若干高めのリールではなく、最近販売開始された安めのリールを勧めてくれました。それだけ、リールの技術の進化は早いようです。
最初に選ぶ1台目のリール
もし今後釣りを続けるつもりであれば、まず最初に迫られるのがダイワを選ぶかシマノを選ぶかです。他にもリールを作るメーカーはありますが、メーカーの規模や情報量の多さを考えると、2021年現在この2社のどちらかを選ぶのが無難です。
私はたまたま最初にお勧めされたのがダイワだったので、1台のカゴ売りリールとお試しで買った1台のダイソーリールを除いてダイワでそろえています。
好きなタイミングで好きなメーカーを買う、というのも一つの手ですが、同じメーカーでも多数のシリーズがあるので、1社で揃えて同一メーカーの中で比較した方が違いがわかりやすいのではないかと思います。
あと、これは本当に個人的な偏見ですが、何となく王者はシマノ、その対抗馬がダイワ、という関係のような気がします。そのため、ダイワを使っている自分は応援をしたくなります。
さて、では最初の1台は何にしたらいいかですが、カゴ売りではない最も安いものでできるだけ製造年度が新しいもの、をお勧めします。ダイワのリールであれば、クレスト・レブロス・レガリス、が該当します。このシリーズの中から、買おうと思ったタイミングで一番製造年度が新しいものを選びます。
これらのリールはすべて自分は持っていますが、釣行のたびにしっかり洗って油を指して大事に使ったところ、今のところ一度も修理に出したことはありません。
なお、初めから道糸が巻いてあるカゴ売りのリールは基本お勧めしませんが、2大メーカーであればある程度の耐久性を期待できるのではないかと思います。どうしても安く釣りを開始したい、すぐに飽きるかもしれないというなら、カゴ売りも選択肢に入れていいかもしれません。